2012年11月19日

キャリアコンサルティング1級技能検定への質問について@

キャリアコンサルティング技能検定1級について何件も質問を頂くので、まとめてお返事をします。

@論述の問4について
技能検定の1級の問4「この事例相談者が課題を解決できるネットワーク(関係機関や関係者等)は何か。その根拠を含めて記述せよ。

について、このネットワークは事例相談者(キャリアコンサルタント)の課題を解決するネットワークなのか、相談者(クライアント)の課題を解決するネットワークなのか分からないので教えてほしい、とよく聞かれます。
これはキャリア協議会の質問の意図(日本語)が分かりにくいという事なので、キャリア協議会は次のテストでは是非どちらを示すのか分かりやすく日本語を変えてほしいものです。

当然ながら私もどちらを聴いているのか正解は分かりません。
あくまで私個人の推測としてお答えします。
「キャリア・コンサルティング研究会」 報告書 平成 21 年 3 月 中 央 職 業 能 力 開 発 協 会
より引用
「ハ コーディネート能力
「指導レベル」を目指すキャリア・コンサルタントにおいては、組織への働きかけや関係者との連携等の「コーディネート能力」も重要である。領域間の連携、専門家へのリファーだけでなく、企業内の能力開発制度や教育機関のキャリア教育プログラムの設計、運営、評価等ができることが望ましい。
コーディネートを行う能力は、実技試験のうち主として論述試験で把握され得るものと考えられる。」
この論述の問4、問5はコーディネート能力の質問です。
このコーディネート能力は、1 級キャリア・コンサルティング技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目
http://www.career-kentei.org/download/grade1_kamoku_hani2011.pdf
では「環境への働きかけ」という言葉で説明され、こう書いてあります。
環境への働きかけの認識と実践
個人の主体的なキャリア形成は、個人と環境(地域、組織、家族等、個人を取り巻く環境)との相互作用によって培われるものであることを認識し、相談者個人に対する支援だけでは解決できない環境の問題点の発見や指摘、改善提案等の環境への介入、環境への働きかけを関係者と協力して行うことについて、詳細な知識を有すること。

この説明を読むと、「環境にどう働きかけるか」という方法がネットワークになる。
仮に問4が「相談者(クライアント)の課題」を解決するネットワークと読むと、問4と問5は実質同じ問題になります。
なので、問4は素直に「事例相談者(カウンセラー)の課題」と読むのが良いと思いますが如何でしょうか?
これはあくまで田中個人の考えです。

前回の1級のテストは準備不足だったようで、筆記試験も問10と問36は実質聞いている内容はほぼ同じなので、もしかするとここでもほぼ同じ内容を質問を変えて聞いている可能性も少しはあります(次回はキャリ協は質問の仕方を変えた方が良いと思います)。

posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 21:46| Comment(0) | TrackBack(0) | よくある質問への回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月09日

キャリアコンサルティング指導者向けのQ&A

キャリアコンサルタントの4日間の指導者訓練を実施しました。
受講生からの質問で参加されていない人にも役立つものをアップしました。

Q1:(指導をする、あるいは指導を受ける時に)自分ができないことをできるようになろうと努力することは大事でも、それで自然なやり方が出来なくなる時にどうするか?
A1:その通りです。新しいやり方に挑戦する時=新しいパタンを獲得する時は、一瞬下手になります。
  これまで無自覚にやっていた行為を意識してやろうとするとぎこちなくなって動きにくい。でも意識しないと変更できない。
  これは意識して新しい行動を継続していると、段々とそれが意識しなくてもできるようになってきます。
  自然なやり方ができなくなるのは成長するためのステップと教えてあげてください。やがて無意識にできるようになります。

Q2:指導をする際に相手に「考えさせる」というやり方をすると却って変に自分が上に立つ感じになるかもしれない。
A2:正解は自分の考えで、それを言えるかどうか試しているなら自分が上になっているかもしれません(これはおっしゃる通り望ましくない)。
  目的である「クライアントの前向きな行動」により効果がありそうな方法を2人で考えている、と思えば上ではないと思います(正解は自分の考えではない)。
  先に受講生に言わせるのは受講生が主役であり、そちらの方が学習効果が高いから。
  ただし、現実には指導者と受講生には心理的に上下関係はあり、受講生以上の知見が指導者には期待されています。
  上下がダメなのではなく、どういうスタンスが受講生がより成長するかで考えた方がすっきりします。

Q3:指導者として、研修生の問題を捉える視点を伝えられているかスッキリしていない。
A3:それは自分が分かっているかもしれないけれど口に出して確認していないからです。口にするだけではだめで、相手のフィードバックを大切にして、更に修正をしてください。
  これをやらずに進めると、小さなボタンのかけ違いがあって、近いことをやっているけど受講生の満足が低いという状況が起こります。

Q4:SV場面の構造化。行き当たり場ったりではなく、90分、120分の構造を持っておくと話が散漫にならないと思うがいまひとつうかばない。
A4:大きな流れを教えます。
  自己紹介(自分の熟練性紹介)、受講生の問題意識(問題と目標)ヒアリング、(仮目標設定の場合有)
  受講生アセスメント(これまでの話しや具体的ケースを通して)・・・その一環として素材と素材に関する補足の話(会話で深める)あるいはその素材を通した指導
  受講生の本当の問題(目標)の共有、スーパービジョン全体(例えば3回)の目標とそこまでのステップ案の提示、
  残りの時間で1回目に今ある素材を使っての指導実施、
  今回学んだことの振り返り、次回までに何を実行するか計画(宿題)、次回やる事の確認
  (次回は宿題をやったかどうか、やってどう感じたか、前回決めた内容で今回やってよいか確認から)
  まあこういう流れの中で、やれることからやっていってください。
  時間が短い場合は全部はできないので、本当の問題目標と今後のステップを共有するところで切って次回に回します。

Q5:自分の意見の論拠がはっきりしない。
A5:日本の教育は記憶することが中心で考える教育をしていなかったので、論理性が苦手な方も多いと思います。
  ロジカルシンキングの入門書(たくさん出ていますし、図書館にもけっこうあります)を読む方法もひとつですし、論拠の代表が「理論」です。
  1つの理論1つの流派だけを勉強していると至って当然のことが、他の理論を勉強すると違う答えが出てきます。
  やったことのない苦手な仕事に配属されたのでどうするか?構造論=適材適所だと向いた仕事に異動する、ですが、発達論だとそこで本気でやれば新しい能力が獲得できる(成長する)可能性がある、と考えます。
  もう少し理論を勉強するのも役に立つと思います。

Q6:バランスの問題だと思うが、それぞれのキャリコンのスタイルや個性の「尊重」と、「こうあるべき」というスタイルの指導の対立構造。
  お互いがお互いの良い点を認め合って、きもちよくやっていく方向性の模索が難しい。
A6:その通りバランスですが、実際は「目的」の共有を行うと前向きに会話ができるようになります。
  カウンセリングの目的がクライアントの前向きに行動できることだとすれば、各方法はどういう点がよくてどういう点が課題か?
  スーパービジョンの目標が受講生の成長とクライアントの福利を守る事だとすると、各方法はどういう点がよくてどういう点が課題か?
  実は意見が違う事は非常に役に立ちます。これはあのドラッガーも言っている事です。
  狭い世界の中で「こうあるべき」と当たり前と思っていたことに、誰かが「違うんじゃない?」ということで本当がどうかよりよい答えを考えるきっかけになる。
  多数決で多い方が勝ちではなく、論理的に「どんな事実があり、その事実からそうだと言い切れるか」考えることで、よりよい答えが見つかります。
  ただし、「こうあるべき」という意見にも何かしら学ぶべきものがあるはずです。
  どちらが正しいかではなく、目的に対しよりよい答えを、と協力して考えるスタンスを働きかけてください。

Q7:指導者としてできないことを少しでもできるように変えていくには、、、とにかく不安だ。
A7:「不安」という感情をどうやって変えればいいか、それも指導者に求められていることです。
  私は不安を持つ事は前向きな行動に繋がりやすいので悪くないと思っていますが、「とにかく不安」というのは行動できなくなることもあるのでよくありません。
  他人を変える前に自分の不安を変えてみましょう。
  エリスの論理療法を、自分のをベースに使ってみると、認知的アプローチの意味や使い方が良く分かります。
  エリスが言っていることは、クライアントは「A:出来事」→「C:結果(感情)」と思っているが、実際には「A:出来事」→「B:考え方」→「C:結果(感情)」である。
  例えば、
  「A:指導で失敗してしまうかもしれない」→「C:とにかく不安」とクライアントは思うが、実際には
  「A:指導で失敗してしまうかもしれない」→」B:考え方」→「C:とにかく不安」となっている。
  例えば、
  「B:考え方」=「誰でも最初は失敗して、少しずつうまくなるものだ」と考えていると、「とにかく不安」にはつながらず「少しでも失敗期間を短くなるよう努力しよう」ぐらいになる。
  「とにかく不安」に繋がるためには、何かその人の固有の考え方があり、強い否定的な感情に繋がるときには、Bが非論理的・非現実的な考えを持っていることが多い。
  その考え方を非論理性・非現実性を明確にし、論理的・合理的な考え方を獲得できると、Cの結果(感情)が変化する。
  どんな考え方があるのでしょう?「1度失敗すると2度と成功できない」「失敗するのは落伍だ」・・・・
  それは本当でしょうか?論理的・道理的は言葉が硬いですが、もっと得な考え方はないですか?
  セルフヘルプでやってみてください。

Q8:倫理問題が心配。考えておくしかないが、自分の考えが視点として十分か・・・
A8:指導の入り口はスキルでしょうが、だんだん深くなると倫理問題が絡んできます。
  まずは入口の指導者の頃は、自分が答えを教えてあげるのではなく、一緒に選択肢と長所短所を考えていくという事を意識してください。
  アメリカのカウンセラー倫理を調べるとどういう問題が起こるのかイメージがつきやすくなります。
  金沢吉展先生や水野 修次郎先生の倫理の本が参考になりますし、けっこうオタクで多様な考え方も含めて学びたい方は「援助専門家のための倫理問題ワークブック」(7350円)を読むと理解が深まります。

ご参考まで
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 14:37| Comment(0) | TrackBack(0) | よくある質問への回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月27日

キャリコン2級論述の質問への回答

キャリアコンサル2級技能検定の「論述」の勉強会を実施しました。
論述は結局関係構築がそこそこできた後、どう進めればいいかを知的に分かっているか、の確認ですし、面接の効果を上げる為の治療同盟(共同作業関係)をうまく構築できるかの確認でもあります。

質問への返事を以下アップします。

Q1)問1と問3の1がリンクする必要があることは理解できた。
しかし、問3の2の「方策」について、その解決策(多分問1の解決策で問2を含んでいない)だけ(全部のステップではなくということでしょうか?)を記述しても大丈夫なのか不安。採点は入口部分だけでも合格なのか?
A1)いくつかに分解して答えます。
@ 問2を反映しない戦略でもいいのか?
→クライアントの問題目標に答えているので面接としては価値提供しています。
ただし、問2に気づくともっと役立つ、と感じているのですから、よりよい戦略は問2まで含みます。
例えば「上司と馬が合わないから転職したいが、自分のあった会社はどういう会社か分からない」という相談。
自己理解を含め、こういう会社が自分に合っているんだ」と分かればクライアントは満足するしカウンセリングにお金を払っていいと思います。
しかし、「転職できるめどがあるなら、もう一度上司と本音でぶつかるなり、転職できる力があるなら社内異動できるかもしれない。失うものは何もないから、最後に社内の可能性も確認しませんか?」と提案できる方が価値がもっと大きいというだけです。
A (全部のステップでなく)入り口だけでよいか?
→「まずは***」をする、というのは一つの戦略です。解決の仕方も良く分からないのに適当に進めるのは正しい訳ではなく、理想論は全部のステップですが、必ずやらなければならないものではありません。例えば、シュロスバーグの4Sトランジションは結局「まずは自分が持っている資源を4つの視点で整理する。その後どの資源を伸ばすと乗り越えやすいか計画を立てる」だし、社会学習論のモデリングも「問題を乗り越える為に、まずはモデルを探してインタビューすると手がかりが入りやすい」です。
B 合格かどうか?
→採点基準や何点つけるのかは知りませんが、クライアントが満足し役に立つ面談で不合格にする論理的理由が私には分かりません。

Q2)問2の根拠が分かりませんまた根拠と判断レベルが一致しているかどうかがピンときません。
A2)論理性・客観性と考えると、客観性は自分以外の他者もたしかにそこが(クライアント自身は問題視していなくても)問題でありそこを使うと問題解決目標達成に繋がりやすいと思うか、が一つの考え方です。論理性はクライアントのどういう状況・どういう発言があるか、という事実(根拠)から、このクライアントはここが問題と言えるかです。
決めつけにならない為には根拠があるかが重要だし、その判断根拠は何かを自分が自覚できているかが大事です。
根拠と判断レベルをそろえるためには、論理的に考える訓練が必要です。論理的に考える=ロジカルシンキングに関する初心者向けの本も多数出ていますので、一度読んでみると手がかりが手に入るかもしれません。

Q3)実技ではできているのに論述(紙に書くこと)ができない
Q3)実際の会話ではある程度関係性の中でクライアントが足りない言葉を補足して聞いてくれます。紙に書く場合はそのクライアントの補足がありません。その意味では、紙に書く方が一層正確性が要求されます。
ある意味、(変化しない)固定物でこれを正確に理解し、伝える練習をすることが、その場で一瞬で答えなければならない実際の面接の質を上げる練習に成ります。

Q4)目標に対し方策、やることは分かっているが、それを具体的にどう進めていいかまで考えられない。
A4)具体的にどう進めるかは実践経験が活きます。過去どういう場面で自分が何を実施し効果があったか。それをさらに抽象化し、概念化すると位置から考えなくてよいので面接が楽になります。一方で方策の中でも戦略と言われる「大きなステップ」はキャリア理論やカウンセリング理論を理解し、それは結局何をする事かと言う理論と実践のつながりが分かっていると楽になります。実践からの概念化と理論の両方の力を高めてください。

Q5)時間が限られているので、先の問題を踏まえて後の問題の回答を変更しようとするとかえって混乱することがわかりました。
A5)つまり、何をやるかと言う方策の回答を変更するよりも、問題を共有し、目標を共有し、そこを繋ぐにはどうするか、と考えた方が楽だ、ということです。
問題目標の共有なしに、先にやる事が決まっているはずはありません。

Q6)紙面で逐語記録だと感情や繰り返し言葉が分かりやすいが、実際の面談では気づくのか心配。慣れるしかないですか?
A6)変化する情報を即座に捉えるのは難しいので、まずは逐語のような止まったもので練習し、次はビデオのような止めることができるもので練習すると、実際の面談もやりやすくなると思います。しかしもう一つの考えは、現実の面談では、例え十分捉える事が出来なかったとしても、問題共有、目標共有をするタイミングで大事な事であればクライアントはそこで追加修正してくれるという事です。「共有」「確認」これをしっかりやっていれば、足りない部分があっても何とかなります。

Q7)自分自身のロールプレイが20分で目標や方策をどう進めるのか十分理解できていません。教えて頂けるとありがたいです。
A7)実は知的な意味でのどう進めるかは論述でやっている内容を関係を維持しながら実施すればいいのです。イメージを持ちたいのであれば、キャリア協議会で出版している2級技能選定の解説本にDVDとDVDを使った自習の仕方を書いていますのでこちらを参考にするとよいと思います。
http://www.career-cc.org/blog/?p=1537

Q8)スピードが速く解答事例に対するコメントで分からないところがあった。
A8)申し訳ありません。本来は1人1時間ずつかけてスーパービジョンをするような内容を5分前後で一方的に解説したので理解できなかった部分もあると思います。
福岡近郊の方は、月に1回実施しているキャリアカウンセリングカフェ
https://sites.google.com/site/ccounselingcafe/
に私の予約をして参加して頂ければカウンセラー方であればカウンセリング関係で困っている部分もご相談に乗っています。


Q9)「良いんじゃない?」と言うコメントが、良いとも悪いとも受け取れることがあり自信がありません。
A9)悪いと言ったつもりは全くないのですが、そう聞こえたのであれば申し訳ありません。
所詮100点の回答などなく、面談がうまく進むと感じたものは全て「良いんじゃない?」と言っていると思います。私のこのコメントは悪い、真ん中、良いと分類した場合の良いよりです。

Q10)論述でよく使う表現(言葉)が知りたい
A10)これは要するにカウンセリングよく使う言葉という事になります。しかし、流れを無視して言葉だけ真似るのはお作法になるリスクを感じます。どうせならうまい人の面接の逐語を読んでイメージする方がよいのではないですか?
例えば、カウンセリング界のスーパースターであるロジャーズ、エリス、パールズの面接の逐語(グロリアと3人のセラピスト)を読んでイメージするのもすごく役に立ちます。
http://www.nsgk.co.jp/publish/psy/b09.html

Q11)解答の字数、また誤字・脱字等は採点に影響しますか?
A11)私は知りませんが、標準レベルのテストでも誤字脱字で減点している団体の方が多いと思いますので、誤字脱字は基本的には減点されると思った方が良いと思います。実技試験ですので字数が少なくて減点や欄内で字が小さいから減点と言うルールを作るのはなぜそうするのか理由を説明できないのでないと思いますが、欄外や裏面記入はルールの決め方ひとつなので減点(対象外)になるリスクはあります。
ただ、最近私自身が小さな字が見えなくなって感じることは、字が小さいと見る気がしなくなり否定的についついなる、ということ(活字が小さなビジネス書は「この著者はターゲット読者の理解が低いから所詮役に立たないに違いない、とイソップのすっぱいブドウのようなことを本気で思います」。採点官の平均年齢が高いだろうと推測すると、小さな字でたくさん書くのもお薦めしません。

Q12)方策をうまく考えるにはどうすればいいか?
A12)方策の基本は理論を勉強することで手に入れることができます。どの団体もカウンセリング理論だけでなくキャリア理論も教えているはずです。昔のテキストを読み返し、結局この理論は実践の場ではどういう事をやるのか自分で整理してみてください。
地道な作業の積み重ねが大事です。

Q13)過去問はあるが正解がないのでどうすればいいか?
Q13)基本は複数の人間が集まって勉強会をすることです。
問1はこれでクライアントが分かってくれたと納得しそうか複数の人のフィードバックを貰うとイメージできます。問2は客観性であれば他人も確かにそれが問題と感じるかどうか。問3の1はクライアントが受け入れそうか、問題と繋がっているか複数で評価すればわかります。問3の2は一番評価が難しく、それをやる事で本当に目標に行けそうか、この人は机上の空論ではなく具体的に面接で価値提供できそうかを率直に議論してください。必ず手がかりは手に入ると思います。

今回の勉強会参加さ向けのコメントですが、他にも2級技能検定の論述で困っている人の役に立つかなと思いアップしました。
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 23:51| Comment(1) | TrackBack(0) | よくある質問への回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月24日

キャリアカウンセリングに関する本の紹介を頼まれた

先日「友人からキャリアカウンセリングの本を紹介してほしいと頼まれたけど何を紹介すればいいか?」という質問を受けました。しかもカウンセリング初心者だそうです。

表面的ニーズは分かるのですが、その本に何を求めているのか分からないと何がいいかが異なります。
まず最初に、「カウンセリング」に関する本は結構出版されているけれど、「キャリアカウンセリング」に関する本は非常に少ない、ということ。
現場で実践している人間なら良く知っている「マッチング」=構造論、特性因子論、タイプ論、というような理論は「カウンセリング」の本ではほとんど触れていません。

基本の導入的な本は
渡辺三枝子+E.L.ハー著「キャリアカウンセリング入門」
宮城まり子「キャリアカウンセリング」
でしょうか?
私個人は渡辺三枝子先生の「キャリアカウンセリング入門」で勉強したこともあり、キャリアカウンセリングの専門職を目指す人にとって非常に良い本で「まずはこの本を」と思いますが、一方で宮城まり子先生の「キャリアカウンセリング」の方が対象がもっと広く設定されている印象で、こちらの方が初心者向けかもしれません。
他には
木村周著「キャリア・コンサルティング入門」もありますが、この本は非常に網羅性が高く関連する情報が多数掲載されているのは長所ですが、情報が多い分著者自身の「どうすればいい支援ができるか」という一貫した哲学が伝わりにくいという短所があります(と思ったのですが、もう一度読み直すと、実はけっこう「私は」と書いてありました。木村先生のスタンスは手法については並列的に扱って、木村先生の意見は「結果が出るのが大事」ということでした。私自身の考えに近いので意見を言っていることに気が付かなかったのですね。その意味では國分先生の「役に立つ」というスタンスと近いです)。

「キャリア」に関心があるのなら
渡辺三枝子編著「新版キャリアの心理学」
二村英幸「キャリア発達の心理学」
かな?
キャリア理論(キャリア発達理論)についてやや詳しく書いてあります。
特に「新版キャリアの心理学」は現場でどう使うかのような視点の記述があるのがよいです。

組織からの視点でキャリアカウンセリングを見た本であれば
渡辺三枝子編著「オーガニゼーショナル・カウンセリング序説」
川喜多喬「人材育成とキャリアデザイン支援」
ぐらいを推薦したいと思います。
もっと企業寄りの方は、神戸大の金井 壽宏先生の本や慶応大高橋俊介先生(本当は花田光代先生の本もほしいのだけれどセミナーのハンドアウトぐたいしか手に入らない)の話を聞くとなぜキャリアが役立つのか分かると思います。

カウンセリングの本はいろいろ出ていますが、國分康孝先生の本(できれば自伝が入っているもの)は一度読むとカウンセリングのイメージが変わります。「役に立つカウンセリング」の為に古い日本のカウンセリング体質と戦ってきた様子が伺えます。「カウンセリング心理学入門」などは安いし面白いし導入書としてはいいのではないでしょうか?
自分の為にカウンセリングを勉強したい、という方は、平木典子先生の「新版カウンセリングの話」ぐらいが導入書としてお勧めです。カウンセリングを学ぶことで自分の心が軽くなる、もしかしたらセルフヘルプを意識して書かれたのかもしれません。

今どこまで理解しているのか、何を求めるのかが分からないと本を紹介するのは難しいので、(他にも多数良い本があるのですが初心者向けと言う意味で)私なりに整理してみました。
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 19:45| Comment(1) | TrackBack(0) | よくある質問への回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月15日

傾聴技法が苦手な人への回答

傾聴技法が苦手な人には、簡単な方法があります。

傾聴とは相手が伝えたメッセージをこう理解した、と伝え返すスキル。

相手の発言を聞いた後

「だったら**さんは・・・・・・・と感じてらっしゃるんですね(か?)」
「じゃあ**さんは・・・・・・・と感じてらっしゃるんですね(か?)」

というように、
1)「じゃあ」や「だったら」のような相手の発言を受ける言葉をこころでつぶやく
2)その後のクライアントの名前を(こころで)つける
これをやるだけで自分の意見や状況確認はできなくなります。

それに「感じている」みたいに、意識して気持ちを表現すると、傾聴技法からずれません。

前半関係構築中心の間、意識してやってみてください。
戻すだけの内容を相手が言ってくれないうちは、ゆっくり待って、相手に「どうぞ」というつもりで促すぐらいでいいです。
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | よくある質問への回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする