2018年07月30日

企業とのカウンセラー契約

企業とのカウンセラー契約をどう結べばよいのか質問があったのでコメントします。

普通は契約先会社が契約書を作って、自分の会社に一切リスクなく使いやすい用に契約を作るので、カウンセラーとしてはちゃんと項目のリスクを考えて交渉しないといけません。
何かあった時の損害は全て受託者、というような契約を法務は作りたがるので、特に大企業と契約するときは注意です。

契約する上での主要な検討項目は
1)カウンセリングは1面談単位?1日単位?
1面談単位にした方が企業は楽なのだけど、カウンセラーとしては1面談の為に呼び出されてその日他の仕事が出来ず数千円では生活できません。
面談単位なら1期最低3面談とか、条件付けた方が良いと思います。
契約条項なくても相手がこちらを考えてセッティングしてくれるならそれでもよいですが、担当変わると苦労します。
2)単価レベルをどう置くか?
価値ベースと代替えコストベースとマーケット価格ベースがあります。
価値ベース。
面談をすることでどれだけ社員が成長しどれだけリスクが減るのか。会社への提言レベルも含めて価格が変動します。
価値がないなら0円だし、大化けするなら10万円でもよい。
自分の価値が高いと証明できるなら強気の交渉できますが、関係構築しかできないや、表面的問題への対処しかやっていない人の価値は安いです。このロジックでの交渉は熟練レベル以上。
代替えコストベース
契約する会社の正社員の平均賃金は年いくらぐらいですか?
会社は間接経費人件費他でその1.5-2倍ぐらいコストがかかっています。
受託者がカウンセリングしない場合に正社員が実施するとしたらその人件費が発生するわけです。
中小企業なら例えば600万の正社員が面接すれば、200日労働と仮定すると3万/日ー4.5万/日の人件費他経費を投下している訳です。
(大企業の1200万円の社員なら6-9万円/日になります)
しかも正社員にそういう業務をさせる場合、先にカウンセリングの学習に活かせ資格を取る、という時間とコストがかかる訳です。
間接コストまで比較に入れることができる社員は相当優秀な人なので、間接費なしでの代替えコストの方が説明しやすいかもしれません。
マーケット価格ベース
国だと最も安く入札した価格。資格は持っていて仕事がない人が「いくらでもよいから」と言うケースもあるので1面談数千円でアリバイの為の面接はと取引されています。
本質的にマーケット価格は質が良いものは高く、安いのはクオリティ今一歩なのですが、「質」を評価できる企業はあまり多くありません。
企業が判断できるのは「これまでどういう企業でカウンセリングの実績あるのか」が「資格レベル」です。
それさえも分からない会社は、質は関係なく価格が安いところを選ぼうとしますので、成果を出して「他はどうなの?」というスタンスをとるか、安い会社が攻めてきたとき値段を下げるのか付き合うのを辞めるのか腹決めが必要です。

スキルや実績が十分な人は価値ベースでの価格交渉、ビギナーは代替え価値ベースでの交渉が良いのではと思います。
3)面談価格をどう考えるか
2)の1日いくらをベースにして、最大何面談できると置くかが面談コストの基本になります。
1日5万円と置いて、8時間で平均何人面談できると考えるか?
1時間面談、ケース記録等書いて5面談がクオリティ考えると上限ならば、1万円/面談。
1面談とか2面談での発注があるなら、分割損を考えて面談単価を高めに設定します。
4)交通費旅費出張費をどうするか?
受託者からすると全額企業負担。委託者からすると全額受託者負担が望ましい。
少なくとも遠距離の場合は企業負の項目は入れた方が良いのですが、都内の場合は力関係で決まります。
ただ、1面談で依頼があり、交通費も込みと言われると、カウンセラーの時給は1面談の依頼だと最低点銀如何になるケースもあります。
交通費実費にすれば企業としては面接まとめた方が有利になります。
ここは交渉の仕方次第。
5)基本契約料をどうするか?
単位面談をする以外にどれだけの業務を引き受けているかがこの価格になります。
面談結果を経営への提言に加工して提出するならば別途料金発生しておかしくありません。
面談ではなくメールでのフォロー等も発生するなら、面談量を高めに設定するか、その分まで含めて基本契約に含めます。
上司グループから、メンバー支援で困った場合にメールで相談できる、とかするなら、そこも固定費を加えた方が良いでしょう。

上記を参考に契約条件を考えてもらうのと良いのではと思います。
機密保持条項は企業相手だとほぼ入りますので、そこは覚悟していてください。

では頑張って下さい。
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 22:02| Comment(0) | よくある質問への回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月23日

非正規雇用の不利益について

数件非正規雇用の不利益についてキャリア支援をされている側の方から悲鳴のようなメールを頂きましたのでコメントします。
正社員優遇で、正社員ばかりを守り優先するのはおかしいし、納得いかないとの趣旨です。

まず非正規、正社員ではない働き方として「専門職」としての働き方と、多様性の中「自分から非正規を選ぶ」(例えば子育てや介護や趣味等の都合)働き方と、「正社員を目指すけれど手に入らず非正規」という働き方と、があると思います。

キャリアカウンセラーも本質的には専門職で、基本的には自営業です。専門性が高く、学び続け時代に適応しない限り仕事はない。
私も括りでいうとここで、正社員ではなく、日雇いや時給で働いています。でもそれは専門職の宿命です。社会に必要な専門領域で、高い専門性を維持できれば、仕事も収入も継続されます。
自分から非正規を選ぶケースもあります。正社員だけが人生ではなく、他に優先したいものがあれば選択肢は広い方が良い。(今は良くても年齢が高くなった時に悪い場合もありますが)個人の選択。
問題は「正社員を目指すけれど手に入らず非正規」の場合。
同一労働同一賃金が徹底すれば本来大きな問題にならないはずだけれど
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html
日本はOECDから「正規・非正規間の保護のギャップを埋めて、賃金や手当の格差を是正せよ。すなわち、有期、パート、派遣労働者の雇用保護と社会保障適用を強化するとともに、正規雇用の雇用保護を緩和せよ」と勧告される程、正社員の雇用を優先させている経緯がある。
安倍内閣でも同一労働同一賃金に旗を振っているけれど、現実にはまだ差別が存在する。

世界で言うとオランダが同一労働同一賃金で成功した国。
http://xn--cckva6n2a9027a6l0c.jp/article/120401086.html
各国真似をしているけれどうまくいってない。

さて、正社員と非正規との格差への対応について。
今後縮小はしていきますが、差がなくなることは現実は難しいと思います。
しかし益々変化が激しい社会になり、AI(人工知能)等の発達により、正社員なら安全ではなく、正社員でもいつ雇用を失うかわからない時代になるでしょう。
平等でないことへの不平不満を言うよりも、専門職を目指すのか、小さな会社でもよいから正社員を目指すのかどちらかをやっていくのが個人の選択としては現実的だと思います。同一労働同一賃金を個人が社会を動かして実現しようとしても相手が多すぎて直ぐには動かない。
非正規は搾取されている、悔しい、という気持ちを理解した上で、選択肢は以下のものを考えます。
1)現実を受け止め、以前よりも改善されている事実に目を向ける。
(平等でなければおかしい、という前提が怒りや悔しさを大きくします。ここを弛めれば感じ方が変わる)
2)得な立場である正社員への転職を努力する
(正社員の方が守られている現実があるので、損な側から得な側に移る。立場を変えると、今の施策は正社員の立場を弱くする施策なので反対したくなるかもしれません)
3)専門性を高め専門職の道を目指す(変化の時代正社員よりも良いかもしれません)
4)グループの単位で考える(独りで考えると損だけでも、世帯や親子で考えればプラスマイナスで差は小さくなります)
5)社会を動かしオランダのような社会を目指す運動を活性化する(望ましいのだけれど、正社員側からすると既得権を失う痛みがあり大きな抵抗があります)
6)不平不安を周りに吐き続け不満を言うことでストレス発散する(周りは毒を受けるだけなのであまり良い結果になるとは思えません)

日本の社会全体としてはグローバルな流れの中、「同一労働同一賃金」にあわせ「正社員の解雇をしやすくする」流れです。
景気の波で会社の仕事が減った場合、これまでは国が助成してその企業に留めていましたが、今はそこで余剰の人材を人が足りない成長企業に移転することを支援する方向性(でも景気が悪い時は出すニーズ中心でとるニーズが小さいのでバランスとれないのですが)。
正社員だから安心ではなく、正社員でも転職せざるを得ない可能性がまずます高くなり、その時に満足できる仕事に就くには自分の能力を高め、信頼ネットワークを広げてお必要がまずます高くなります。

AIの時代、創造的な仕事をしている人、改革改善できる人、身体を使って複雑な仕事をしている人は安全ですが、変化の乏しい仕事をしている人はいつ大きな変化が来るか分かりません。
非正規の頑張らないとダメですが、正規だから安心ではないと心に留めて日々精進していきましょう。
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 13:04| Comment(0) | TrackBack(0) | よくある質問への回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月13日

問題について

コメントに1級論述の「問題は何か何か」の根拠の書き方が分からないと質問がありました。
問題について正しい理解がされていないと気になっているので、この機会に書きます。

まず、クライアンが訴えている問題を把握する際に、問題状況と問題とが違うことが理解されていません。
例えば、上司が嫌な人、労働時間が長い、転職出来るか自信がない、は問題状況。
2級技能検定だと問題状況までしか分かっていなくても合格している様に思いますが、ここで止まってはいけません。
ここで「だから何が問題?」と踏み込んで行かないと面談は進まない。
踏み込んでクライアントと共有したものが「クライアントが訴えている問題」
クライアントが訴えている問題を判断する根拠が問題状況であり、そこから導いた仮設への反応です。
問題状況を問題と誤解して根拠を書こうとすると「クライアントがそう言ったから」程度しか書けません。

「クライアントの問題は何か?」はクライアントが訴えている問題ではありません。
クライアントは自己不一致しておりずれています。クライアントの認知がずれていたり、情報が足りない等しばしばあります。
カウンセラーとして問題を把握する。

この両方をあわせて、どの問題に焦点を当てるとクライアントが前向きな変化をすると予測しますか?が「クライアントの問題は何か」の答え。その予測は論理的に推論されているかのチェックのために論述では根拠をきいている。
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posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 22:08| Comment(0) | TrackBack(0) | よくある質問への回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月11日

1級論述質問への回答

今年は1級(指導レベル)の人気があるのでしょうか?
キャリコン検定1級の論述への質問が立て続けに来るので、試験直前だろうからと既に一度触れている事ばかりですが一応参考に書いておきます。

基本は過去書いている内容を読んでください。
論述についても質問の返事で書いています。
http://xn--cckva6n2a9027a6l0c.jp/article/426701591.html

今回は2級は特に書きませんが、バックナンバー探せば十分書いていますので確認してください。

前にも書きましたが、特に今年説明しているのは領域別問題の問4と問5.「コーディネート能力」を問う問題。
まず、試験お細目をよく読んでください。
http://www.career-kentei.org/download/grade1_kamoku_hani2014.pdf
コーディネート能力はアカデミックな言葉ではなく、厚労省の委員会で作った言葉。意味がはっきりしません。
なので、細目で確認してそれに応えるのが試験的な対応。
細目の「ネットワークの認識と実践」がネットワークを聞いてる問4.
「環境への働きかけの認識と実践」が環境への働きかけで問5.

特に意識してほしいのはネットワークの説明は「専門機関・専門家で恒常的に付き合う相手」としているところ。この視点で考えると整理しやすいと思います。

問5の環境への働きかけ、は解説を見ると「環境上の問題に対し、関係者と協力して行う」とあります。問題は何か、関係者は誰かを意識して回答するとよいでしょう。

後、この論述問題について、日本語が分かりにくいので変えてほしいという指摘をしています。
カウンセリングの力を計るのに、計る方の日本語が分かりにくくて相手が答えられないというのでは、困ります(当然論理的に読める内容の返事ならば細目の基準でつけるのでしょうが、回答する方がストレスになる。
特に問4の「事例相談者が課題を」という日本語は分かりにくい。
問1問2は事例相談者が抱えている問題、問3は目標、そして問4は課題。

受講生に聞くと問4は「事例相談者が自分の課題を」と読むと言う説と、事例相談者が(クライアントの)課題を」と読む説と両方あります。

指導(=スーパービジョン)では、クライアント、カウンセラー、指導者(スーパーバイザー)の3者があるので、誰の事を聞いているのか指示をはっきりしないと質問内容を誤解されます。

この部分、誤解されないように修正してほしい、と思うのですが、対応してもらえるでしょうか?(昨年問5は修正されたけど、それでもわかりにくいと言う指摘も多い)

検定2級でも、試験は20分1回なのか、2回目のやっていいのか前提しっかり書いてほしい、や、事前に送られてくる5ケースはカウンセラーは知っている前提でいいのか知らないふりをしないといけないのかはっきりしてほしい、とか、要望しても全く対処してくれなかったものもあるので、どうなるかは先方しだいですけど、言う事は言ってないと。

基本質問の日本語に対し素直に答えれば細目の見方で評価するはずなのええ大丈夫と思いますが、不安な方はカウンセラーの課題、とクライアントの課題、と両方書くのも一つの方法です(日本語分かりにくいと相手も分かっているはずだから)
指摘を受けて誤解されないように言葉使いを修正したのであれば、聞かれている内容に細目を意識して答える、というのが良いかと思います。

ではテスト頑張ってください。続きを読む
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 08:54| Comment(0) | TrackBack(0) | よくある質問への回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月21日

国家資格のパブリックコメント出ました

国家資格になると今持っている自分の資格がどうなるのかよく聞かれます。
パブリックコメントが発表されたので、国がどう考えているか興味がある方読んでみるとよいと思います。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495150195&Mode=0

良く聞かれることへの返事(パブリックコメントに書いてある国の案)を解説します。

Q1)今取っている民間資格(標準レベルキャリコン)はどうなるのか?
A1)省令施行後5年以内は学科合格者は学科免除、実技合格者は実技免除。
つまり、試験は5年は免除されるけど手続き必要、ということです。

Q2)キャリコン技能検定1級・2級合格者はどうなるのか?
A2)これも上と同様試験免除。
さらに、技能検定合格者は、講習については、省令施行日に試験に合格したものとみなす、
とあるので、手続きは必要なものの、勝手に国は国家資格保持者とみてますよ、と言っているようなもの。

3)講習(継続学習)
技能検定と違って講習の義務をつけたのが今回の国家資格の特徴。
いうならば、技能検定はその時スキルがある保証だけれど、それに国家資格を添付することで、継続的な学習義務を加えた。
・知識維持として労働法関連等厚生労働大臣指定講習を5年で8時間以上。
・技能維持として厚生労働大臣指定講習を5年で30時間以上。ただし、1級キャリコンの指導時間及びキャリコン従事時間は10時間以内に限り講習を受けたと見なす。
(ついでに、技能検定1級保持者は技能の講習免除で、学習は知識の8時間だけでよいとのこと)
→この講習規定、超短い。しかもキャリコン実務をやっている人は実務を10時間カウントできるとなると5年で28時間、年間6時間程度しか学習義務ない。
おまけに、1級の指導(多分スーパービジョンとかをイメージ)を10時間カウントできる、となっているけど、これと従事する時間とが一緒にくくられていると、1級の指導は「実務をしない人」を前提にしているようにしか見えない。実務をやっている人こそスーパービジョンが必要なのに、国は何もわかっていない。
何もしない人よりもやっている人の方が技術維持できている、という前提なのだろうけれど、Do,Do,Doではスキルは上がらず、PDCAを回すことが重要と言う意識が不足している。
きっとこうなると、国の資格を取って、最低限の学習しかしない人と、国は最低限であり、プロとして義務関係なく高める為に学習する人に分かれるのだろうなー、と推測します。
ま、多くの人は、楽な道を選ぶので、国家資格、最低限の学習で満足するのでしょう。
実務をしている人こそクライアントをより満足させるために字図殻を高める必要があるし、1級の指導をする人こそ、教える人間が学習しなくてその生徒が学ぶはずがない。

きっと民間の資格団体は、まずはキャリコンを増やす、企業に入れる、という流れの中で、育成講習の予備校的なポジションを争い、「国の義務」の「厚生労働大臣が指定する講習」に認められれば必ず売上が上がるのでその陣取りの力を入れるでしょう。マーケットで言うと、義務しかしない人たち向け講習が単品大量で収益を作りやすい。

なので、私は決心しました。
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posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 15:29| Comment(2) | TrackBack(0) | よくある質問への回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする