2015年09月25日

IAEVG筑波大会

筑波でのIAEVGに行ってきました。
キャリア系の学会は、アメリカのNCDAが有名ですが、IAEVGはヨーロッパ系で政府関係機関が入っている比率が高い学会。日本では「国際キャリア教育学会」として、学校関係の方が多いようですが、V=vocationalが名前にあるように、教育と職業の学会です。

私の今回の最大の目当ては、朝1にあった「キャリア発達での「コーリング」、霊性、宗教」のブライアン、ディック博士の講演。日本ではけっこうスピリチュアリティは色物と見られていますが、海外のカウンセラーでは実存的アプローチだけでなく「スピリチュアル」のことも真面目に議論されています。コーリング=どこかからよばれている感覚(通訳は天職と翻訳してましたが、ちょっと語感が違う感じ)がテーマです。

コーリングの定義が曖昧だったのは残念ですが、仕事に対する態度が大きく、「仕事」(給与重視)「キャリア」(個人の目標達成。イメージや名誉大切)「コーリング」(自分の能力を活かし、周りの人に貢献することに意味)の3つに分かれ、コーリングの人たちが最も満足度が高く、期待・エネルギー・ワクワク度を含む元気度も高い。
コーリングの特徴として「利他主義」「先導される力」「意味と目的」がありそうだ、と。

その日の夜のセッションが「希望としてのキャリア教育、東の本大震災・被災三県における実践から」という、震災後岩手県、宮城県、福島県でのキャリア教育の実践報告。
この話と、朝一の「コーリング」とが実に繋がって聞こえました。
震災の子供たちは「自分たちを助けてもらう」ではなく、「自分たちが周りに何ができるか」を考え、教育者はそれを支援していった。
宮城県は「志」と、自分のよりよい人生の為だけでなく(社会や他者のために自分ができることを)、という「利他」の概念を大きく打ち出し、子供たちがそれを率先して実行していた。

話の内容は、従来のキャリア教育が、個人の目標達成のキャリア教育だったのに対し、震災後のキャリア教育は「コーリング」の特徴で言われていた「利他主義」「先導される力」「意味と目的」の実践編のオンパレードでした。
「志」「利他」「自分だけでなく社会や周りのためにできる事」この重要性を深く学ぶことができました。
しかし、朝一も夜のも、内容が良いのに聴講者が少ない。
とてももったいない。
特に震災から学ぶセッションは同じ時間に「和食体験」が入っていて、海外の研究者がほとんど参加されていなかった。残念。

個人的には、会場について最初にバッタリと関西大学の川ア友嗣先生と話ができ、朝の講演の後バッタリと木村周先生とお会いできたので、とても人に恵まれた学会でした。

後日知っている方々が発表されていたことを聞き、「もっと内容分かれば発表聞きに行ったのに」と残念に思いました。

震災の話はビデオか何かにとって広く視聴できるとよいのですが、そんな風にはなってないでしょうね。
雑誌等で記録は読むこともできると思いますが、震災を乗り越えた方々の生だから伝わる迫力がありました。
行ってよかったです。
しかし、朝一も夜のも、内容が良いのに聴講者が少ない。
とてももったいない。
特に震災から学ぶセッションは同じ時間に「和食体験」が入っていて、海外の研究者がほとんど参加されていなかった。残念。

行ってよかったです。続きを読む
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 18:14| Comment(2) | TrackBack(0) | キャリアカウンセラー:必要な能力・知識・資格 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カウンセリング界を変える大きな法律成立

長い国会が終了。今回の国会では、カウンセリング界にとって大きな影響がある法律が2つ決定しています。
1つが、「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案」=キャリアコンサルタントの国家資格化。
これまで民間団体で標準レベルキャリアコンサルタント資格を発行し、熟練レベル指導レベルを「技能士」として国家資格にしていましたが、標準レベルから「国家資格」として、国が検定を行う体制になります(28年4月以降)。
大きな文脈では「キャリアコンサルタントの必要性が認知され、社会の中でも相応の役割を果たすために国が質の担保を行う」ですし、キャリアコンサルタント10万人(平成36年度末)を目指し、しかも(目標数値は明確にしないことになったけれど)その大半を「企業内キャリアコンサルタント」として推進することで、日本全体の産業競争力をあげる、というのですから、キャリアコンサルタントにとっては本来的には望ましい事でしょう。
一方でこれまで「民間資格」として資格を発行してきた団体からすると大きな変化。
国が「増加させる」と言っているので数は増える反面、「資格」としてはきっと今後は「国家資格」のブランドとの争いになり「資格者とは何か」「民間資格までダブルで申請(年会費支払)するのか」という問題にぶつかる。
国家資格に加え、名刺にタイトルをつけることによって何かを証明できるだけの独自性がないと予備校としては成立できても、資格団体としては成立できなくなる。
大きく業界の枠組みが変わってくると思います。
キャリアコンサルタント自身にはどんな変化があるか?
基本は既に標準レベルを持っている人は申請により国家資格保持者になる流れですので今がひっくり返る事はない。いやむしろ、大きな変化は標準レベルを持っていないこの関連業界の労働者。
ハローワーク、職業訓練等公的機関は、時間も問題で最低でも国家資格を持ってないと採用・更新・査定でマイナスになっていくでしょう。
人材サービス特に斡旋派遣再就職支援等の民間企業は、それほど影響がないかもしれません。キャリアコンサルは業務独占でなく名称独占。国がキャリアコンサルと紛らわしいと認定した名称を使わなければそのまま。
しかしこれって、国のさじ加減ひとつで、「類似だから資格者しかダメ」と言われるリスクがある。
最初は緩めでも、国家資格者の数が増えてくれば締め付けられてもおかしくない。
標準レベルが国家資格になると、今のキャリアコンサルティング技能士は無くなるのでは?という意見も聞きます・でもこれは個人的には???
業界としては国の方針もあって成長するのだろうけど、キャリコンの数も約2倍になります。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000052927.pdf
10万人のポジション争い。
国家資格を持つことは最低限のエントリーするための条件であって、それだけでは良い条件の仕事は手に入りません。
しかも「企業内キャリコン」を増やすと言う方針からすると、給与が良い仕事と、そうでない仕事と大きく差が出来てくる。
選考する採用担当は、キャリコンのスキルが面談で簡単に見抜けるほど詳しくはない。
何かしら、分かりやすい「強み」がないと、良い条件の採用には手が届きません。要はそういう事なのです。
「実務経験素晴らしく、経歴見ただけで認めてもらえる」「その会社の再雇用で、最低基準さえ満たせば仕事貰える」とかでない方は、何かが必要。
・1級技能士=指導レベルの資格を持っている、素人相手でも聞こえがとても良い
・2級技能士はちょっと呼び名が微妙だけれど、熟練レベルキャリコンサルティング技能士と説明すれば、他の標準レベルよりも採用される確率上がる(キャリ協に名刺に「熟練レベルキャリアコンサルティング技能士」と書いていいように交渉したら、と伝えているけど、どこまで厚労省認めてくれるか?まあ、正式名称方後に、分かりやすいように意味合いを職務経歴書に書いても悪くないはずなので工夫してみてください)
・キャリアだけでなくメンタル系の資格も持っている(これは魅力ある)
・ただのキャリアコンサルティングだけでなく企業での能力育成ができるという保証がある(企業内キャリコンスキルを保証する資格が出てくるか、職歴でマネジメント経験でメンバー育成歴あり人に追加質問等で結構評価しそう)
まあ何でもいいのですが、採用する企業がほしいものをアピールできることが重要です。
その中「強み」として、GCDFや産業やCDA等既存の資格団体はアピールできるようにしていかなければならないので大変なわけです。

さて、もう一つ、心理系の国家資格として「公認心理師」が「公認心理師法案」成立で決定しました。

公認心理師とはなじみがないかもしれませんが、今回の国会で決定した心理系唯一の国家資格です。臨床心理士は民間資格。
臨床心理士をそのまま国家資格にせずに、医師の指示を受けることを明文化した公認心理師を国家資格にしました。うがった見方をすれば、医師会の覚えが良い形に変えて国家資格になった。
これから心理系の大学も、公認心理師コースを作るだろうし、民間資格の臨床心理士よりも公認心理師を目指す人も増えるでしょう。
「近時の国民が抱える心の健康の問題等をめぐる状況に鑑み、心理に関する支援を要する者等の心理に関する相談、援助等の業務に従事する者の資質の向上及びその業務の適正を図るため、公認心理師の資格を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」という法律の説明から考えれば、現在有象無象ある心理系の民間資格や心理系カウンセリングの民間資格も影響を受けるはずです。
いや、しっかりした資格でも(どれはダメだと明記されない以上)、公認心理師以外は初心者から敬遠されるはず。
心理系やメンタル系も大変革が起こるでしょう。

社会が求めているから国家資格化、は正しい方向なのでしょうが、資格なくてもクライアントは自分の心を預けてもいい人を求めている。国家資格がないが故に、本当にうまいカウンセラーが支援をやれなくなるのはもったいない。けっこう筆記試験が難しかったりするので苦労するかもしれませんが、上手い人こそちゃんと資格を取ってほしいものです。


続きを読む
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 12:34| Comment(0) | TrackBack(0) | キャリアカウンセラー:必要な能力・知識・資格 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月24日

グロリアと3人のセラピスト分析

部屋の片づけをしていて、大先輩(産業カウンセラーで私よりもはるかに理論に詳しい方)から頂いたグロリアと3人のセラピストの分析が出てきました。
示唆に富んでいるので、一部を皆さんにご紹介します。

@カウンセラーとクライアントの発言の比率
ロジャーズは4:6よりもクライアントが話す比率高いぐらい。
パールズはほぼ同じ。
エリスは7:3。

A発言比率の変化
ロジャーズは前中高比率に大きな変化なし
パールズも同様。
エリスは最初は発言量ほぼ同じだったのに、後半に近づくほどカウンセラーが沢山話し、クライアントの発言料が減る。

B対話1回のカウンセラーの発言量
ロジャーズとパールズはほぼ変化ないのに対し、エリスは全半の倍以上の量を後半は話している。

C対話1回のクライアントの発言量
ロジャーズは多少差があるがほぼ同じ程度。
パールズは前半よりも中盤が1.5倍近く増え、後篇減るものの前半よりも長い。
エリスは前半は長く話すものの、中盤はその半分。後半はその2割減程度。

こうやって見てみると、エリスの面談はクライアントが自由に話せず、カウンセラーが説得しているのがよく分かる。
(振り返りでもグロリアはエリスのメッセージ上手く理解sていない)

知的な面接は高なりがち、ということで、反面教師として気を付けましょう。
まあ、スーパースターロジャーズの面接がカウンセラー4、クライアント6ぐらいだった、というのは一つのモデルです。

posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | キャリアカウンセラー:必要な能力・知識・資格 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月25日

ジョブカード

2012年2月にジョブカードこれではダメだ、せっかくポテンシャルある仕組みなのでもっと教えかた見直し視野方がよい、ポリシーメーカー(厚労省)に提案したい
http://xn--cckva6n2a9027a6l0c.jp/article/249565382.html
http://xn--cckva6n2a9027a6l0c.jp/article/252182885.html
とブログに書き、厚労省の方にも「変えた方が」と言っていたら、公的に厚労省に意見を言える場をもらえることになりました。

しかし現実には私はジョブカードを使う現場にはいません。
今ジョブカードを教える場がどうなっていて、どう変えるとよいのか?
ジョブカード改革が始まっていますが、もっと変えた方がいいことや気になることは何なのか?
実際に最近接点を持たれている方のご意見いただけると幸いです。
現場にこそ答えがあるので。

ブログに書いて今の職場で何か言われるの気になる方も多いと思いますので、直接田中春秋宛てのメールも歓迎します(田中春秋で検索するとアドレスすぐ出ます。ここに書くと勧誘メールがすぐ来始めるので、すみませんが一手間お願いします)。

国の仕組みをよくするために、ご協力よろしくお願いします。
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 17:39| Comment(1) | TrackBack(0) | キャリアカウンセラー:必要な能力・知識・資格 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月20日

キャリアコンサルタント国家資格化

キャリアコンサルタントの国家資格化が国会で審議されています。
民間資格だったものが「国家資格」にしないといけない、と国が判断するほど社会への影響力が大きくなったということでしょう。社会の仕組みにロックインしようとしている。
職業紹介に関する仕事、キャリア支援に関する仕事をしている方には激震かもしれません。
名称独占で、キャリアコンサルタントやそれに類する仕事をしている場合、国家資格をとらない限りは、これまで潤沢な経験がある人でも「キャリアコンサルタント」だけでなく類する名称を名乗れないとなれば、現場に出にくくなり死活問題です。
「最低限でも国家資格は取る」がこの領域で働く人のMust条件になってくる。
(それで引退する人も出るので、資格を持っている人には席ができることになる)

「国家資格にすることで、Must要件を決めたようなものだから、今後技能士2級や2級を受けるとか(それ以上学習する人)は少なくなるだろう」と私の周りでは結構言う人が多いのですが、私はそうは思っていません。
キャリアコンサルタント5万人→10万人、で、実際この領域で働く競争はもっと激化します。
ハローワークのような公的分野では「最低条件」を満たしていればいい、という運用も残りますが、今後増やす計画は「企業」。給与が高い代わりに「出来る人」しか採りたくない。
選考者のWANTを満たす材料がない人は、資格者が増えれば増えるだけ「国家資格保有」だけだと安い仕事しかまわってこなくなる。
差別化をどうやるか、それができない人は国家資格だけでは生きては行けても自由ではない。
カウンセリング実務経験が潤沢な人・・・は国家資格だけでも結構いける。ただ、企業、学校、マッチングとの別の領域の経験をそのままでは認めないので、同じ領域に留まるのならば、その領域が今後大きな変化がなければ、という条件付。
美男美女・・・・それだけでもけっこういける。国家資格+プロフィール写真でCLを引き寄せることできる。ただ、そのCLが顔を見るだけでなく問題解決の意味でも満足できることと、加齢に関係なく輝くように外見だけでなく内面を鍛える条件付。
そうじゃない人・・・・自分のスキルを保証してくれる採用サイドのキーマンを持っている、あるいは別の資格(例えば臨床心理士、社労士等)や実務でそこそこ魅力がありダブルの価値で差別化できるとかいう人以外は、勉強の記録を重ね、資格等保証してくれるものを取り、人脈を拡げないときついんじゃないか、と思っています。
経験潤沢な人も、美男美女も、目の前のCLの満足が積み重ならない限り仕事の更新は難しい。結局「キャリア支援の専門職になる」というのは「一生学び続ける」と同義だと思うのです。

ついでに言うと、今後は「更新」で「スーパービジョンを受ける」等の「個別指導を一定時間受ける」項目が必要になってくると思っています。
「国家資格」の場合に、指導する人はカウンセリングの経験者であれば誰でもいいとなるとは考えづらい。
やっぱり1級保有とか、それに類する何らかの高い資格を持ってないと認めにくいんじゃないかな?
国家資格のキャリアコンサルタント育成する指導者も、いつまでも無資格でいいと国は言わないような気もしています。心配性かもしれませんが。

ま、国家資格を取れば大丈夫、と思う人と、そうなると競争が激しくなるから一層の差別化が必要、と思う人では、そこから先の人生が変わってくるでしょう。力を上げるには時間が必要です。
私がマイノリティかもしれませんが・・・・
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 11:10| Comment(3) | TrackBack(0) | キャリアカウンセラー:必要な能力・知識・資格 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする