2021年06月10日

ケース記録の書き方

<ケース記録を何故書くのか、どう書くのか>
1)なぜ記録を書くのか?(基本はクライアントへの支援の質を上げるためです。記録も書かず、思い出すだけで面接を継続することをイメージすると良く分かります。複数のクライアント、期間がかかる面接をイメージすれば、記録がない無謀さは分かるでしょう?)
➀記録により直接面接の質を上げるため
・クライアントの状況・変化を検討し、今後の方針検討の質向上(今後の面接の質向上)
・複数回長期等のケースの場合、面接の全体像(変化等)を把握し、一連の面接の質を上げるため
A支援者の能力を高めることで支援の質を上げるため
・面接中の事実(発言等)や自分の行為や意図の振り返りを通して自己評価し、支援の質を上げる(自分の支援力向上)
・スーパービジョンやコンサルテーション等他の専門家に相談するときに正しく内容を伝え不足部分を高めるため
B組織として支援の質を担保するため
・組織として、支援担当者に何か(退職・移動・入院・休暇等)があってもクライアントへの最低限の支援の質を担保できるようにするため
・メンバー1人の問題ではなく、組織として支援内容に責任をとるために内容を把握している必要性
*単に自分自身の備忘録ではなく、AB等他者が見ることも前提です。さらに言えば、記録はクライアントが読む可能性があることを忘れてはいけません。

2)何を書くのか
・B組織として必要な記録と考えると、クライアント(相談)に関する情報や支援者が行ったことについて最低限必要と思われることは他者に誤解されないように必ず記録する。
・Aを考えると、支援の質を上げる上で重要なことは書いておくことが望ましい(➀も同)。(例えばキャリアの技能検定では「クライアントが訴えた問題」「キャリアコンサルタントとして捉えた問題」「目標とその方策(具体的に)」を質問されます。このポイントが質を上げるために重要と考えているということ。だとすると、面接を根拠を持って自己評価するためには、その項目の根拠になるクライアントの発言、方策を提示した自分の発言と、その発言の対するクライアントの返答が重要な事実になります)

3)どう書くのか
・事実(状況、実際の発言等)と、キャリコンサルタントの考え(意見)とは明確に区別して書く(可能であれば欄を分ける)
・特に事実部分は開示請求があればクライアントが読むことも意識して書く
・面接中の時間の経過に沿って書く(理想は他者が面接の流れが明確に分かること)    以上
(更に詳しく学びたい方は「産業カウンセリングハンドブック」(金子書房)P316-321 カウンセリング面接記録の書き方等が役立ちます)
posted by キャリア研修センターBLOG by田中春秋 at 20:17| Comment(0) | キャリアカウンセラー:必要な能力・知識・資格 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月19日

サビカスのカウンセリングマニュアル

10年以上前から注目していたサビカスですが、内容については渡辺三枝子先生も「新版キャリアの心理学」に一部紹介されている程度しか日本では認知されていませんでした(外見は知らない人は全く分からないと思いますがカビゴンみたいな体格の方です)。ところがここ数年で1級技能士の試験にも数回出題され、著作も翻訳されて学びやすくなりました。ホランドにもスーパーにも学び統合している、現代アメリカキャリアカウンセリング界の第一人者です。
技能検定2級(熟練レベル)まで合格して、キャリアカウンセリングって何なのか?今やっているやり方って本当にこうじゃないといけないのか、等悩み始めたら(守破離の破の段階になったら)サビカスの「ライフデザイン・カウンセリング・マニュアル」(サビカス著2000円+税)を読んでみるのも刺激になると思います。
全部で114頁で薄い上に、「マニュアル」でどうすればよいか、型が明確に書いてある。
「自分から自由に語れるように関係構築重要」「自己理解重要」「プロセス重要」「目標の共有(共構成と言う言葉を使っている)」と重視する部分は国家資格や技能検定と変わらないものの、具体的やり方が随分違う。
導入はともかく、「自己理解」をどうやって深めるか、でいうと、枠を提供し、質問を中心にクライアントの考えさせ、それをカウンセラーとの対話を通して再構築していくという、「カウンセリング」というよりも「1対1研修」のような手法を紹介している。
例えば「少年少女時代に誰を尊敬していましたか?。スーパーヒーローや漫画やテレビのキャラクターでもよいので、苑火とのことを教えてください」のような質問でロールモデルを把握し自己理解を深めます。
「何の雑誌をいつも読んでますか?その雑誌のテーマや内容を教えてください」
「幼いころの思い出は何ですか?3-6歳までに起きたことについて3つのストーリーを聴かせてください)
等どういう内容の自己理解を深める為にどういう質問をし、更にどういう追加質問をするか等細かく書いてあります。

「技能検定2級(熟練レベル)まで合格して」と、検定終わった後に勉強したら、と書いたのは、このマニュアルのまねを下手にすると資格試験には落ちるから。カウンセラー側の行為の枠が先にある分、(サビカスは官益性が重要と説明しているにもかかわらず」やることに囚われてクライアントの話しや気持ちを聴けなくなる。
しかし、クライアントへの価値を大きくする、と言う視点で考えると、資格が一息ついたなら幅広く学んでほしいと考える。
(以前はゲシュタルトセラピーのパールズが「グロリアと3人のセラピスト」でやっている面接をみてカウンセリングとは何か視界を拡げてもらう事を考えてたが、「グロリアと3人のセラピスト」はビデオが高く違法コピーで勉強するのも問題がある上キャリアカウンセリングではないので、サビカスのこのマニュアルを薦めたほうがキャリアカウンセラーの学習には良いかと方針修正した)

本の紹介でした。
posted by キャリア研修センターBLOG by田中春秋 at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | キャリアカウンセラー:必要な能力・知識・資格 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月01日

2017年皆様へのメッセージ

2017年を迎えるにあたり、皆様へのメッセージをお送りします。
昨年は国家資格立ち上げに始まり仕事だけでなく個人的なイベントも重なり目まぐるしく1年が過ぎてしまい、ふと見るとブログに4本しか投稿していませんでした。今年は最低でも3倍には増やしたいと思っています。
今回皆さんへメッセージを3つ送ります。
その1。国家資格について。
別に国家資格がなくても実力があればよいという考えがあるし、私自身も資格だけ取っても下手では意味がないと思っていますが、国の方向性は「キャリア支援をする上での最低限」と段々置いていくようです。ジョブカードも今は国家資格持ってなくてもよいけれど、方向としては*年までに保持しないとダメとする可能性大。
ハロワで働いている人が代表ですが、保持しないとリスク高いです。
民間でも国の許認可の人材サービスで働いている人はも国の指針でいつ保持が推奨から認可条件に強まってくるか分かりません。方針変わると会社から「すぐとれ」と言われる可能性ありますが、試験結構大変です。資格まだの人は、早めに準備をしないとけっこうリスクあります。
その2.企業でのキャリアコンサルタントの拡大について。
今回の国家資格化の需要予測では企業が大幅に伸びるという試算になっており「眉唾眉唾」という意見も随分聞かれました。
しかし、国の方針関係なく、アメリカから、生産性向上のために「キャリア支援を」という波が今後本格的に押し寄せてきそうです。
アメリカではトップ企業では既に、短期成果主義の見直しとして「キャリアをベースにした本人の成長支援」に切り替わる動きが出ています。
ジャックウエルチに代表されるGEのハードな短期成果主義(強いリーダー、厳密に査定し、下位を排出することで組織を強くする)が修正され始めている、という情報は入っていたものの、十分具体的な話は広まっていませんでした。昨年11月末GEジャパン社長の熊谷昭彦氏が「GE変化の経営」を出版し、事実「個人の成長」に軸足を移し、それが企業の競争優位性を上げるうえで必要な施策と認識していることがはっきりしました。
厚労省のキャリアコンサルタントの企業での予測をした方がアメリカの動向をご存じだったのかもしれませんが、「生産性向上」の手段として「キャリア」が本当に入り始めると思います。
実際私も(別にアメリカの真似ではないけれど)今年初めに「ただの目標設定ではなく個人が本気で向き合える目標設定できるようにマネジャーの教育したい」と純粋企業サイドニーズでのキャリアの要素の研修を依頼されています。
今の短期成果主義は成果を上げるのに十分役に立っていないという認識が進んでいます。企業が成果を上げるためには、社員がモチベーション高く、お互い強みを発揮し助け合いながら、ひとりひとりが成長することが重要。他人と比較してABCをつけてずっとA以外の人のやる気を落とし、チーム内で査定を分布させる運用をするから周りの人と助け合わず自分だけに閉じこもって仕事をし、成長よりも目先のことで日々を過ごす。
これではダメだと皆気が付いているのに、グローバル競争に勝つにはこれでなければと思考停止。アメリカでは変なら変えれば、と素直に修正されているのです。
日本人からすると新しい方針の方がしっくりきます。これまでの短期成果主義の方が違和感あった。しかし、急には変わらないし、それができる人材も少ない。成長支援なのでOJD(仕事を通した成長)ができるような支援者が求められる。
メッセージは「企業で生産性向上目的のキャリアこれから拡大しますよ」でも「成長させられないキャリアコンサルタントには仕事は行きません」ということ。皆さんも成長してください。
その3。キャリア研修センターの活動について
東京地区は良い指導者もおり、情報も入りやすく学習にはあまり困っていないと思っています。
しかし地方にはなかなか変化が正しく届いていない。
途中に人が解すことで3割落ちると考えると、東京では1人程度で7割伝わるにしても、地方だと伝わっても2人3人介在し、0.7×0.7=約5割。0.7×0.7×0.7=3.5割しか届かない。
地方を回って底上げしたいと思っています。
基本的には10人程度集めて頂ければ、交通費等なく東京と同じ料金で研修実施してます(とはいえ、土日の空きがなくて中々実施できないのですが)。ネットでの情報提供に加え、地域巡礼も今後やりたい領域です。
少しずつしか実施できませんが、前向きに考えていますのでよろしくお願いします。
今年もよろしくお願いします。
キャリア研修センター 田中春秋・洋子
posted by キャリア研修センターBLOG by田中春秋 at 12:03| Comment(1) | TrackBack(0) | キャリアカウンセラー:必要な能力・知識・資格 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月31日

企業内でのキャリア支援

キャリアコンサルタント国家資格化の背景には国力向上のために一人一人を成長させる仕組みとしてキャリアコンサルタントを企業内に拡げる(今後5万人から10万人に増やす大半を企業でのキャリアコンサルタントとして政策が作られている)計画があります。
企業で成果を出すには、もっとどうすれば社員の能力伸びるか知っていて欲しい。
以下は4回連載で雇用問題研究会の「職業研究」に書いた内容です。


他にもリクルートマネジメントソリューションズのRMSメッセージにも企業内でのキャリア支援書いてます。
http://www.recruit-ms.co.jp/research/journal/pdf/j201402/m34_all.pdf

キャリアコンサルタントの国家資格でも、技能検定2級や1級でも企業内に支援の知識は不足しています。
花田光世先生や高橋俊介先生のメッセージ等しっかり学んでいく必要があります。

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posted by キャリア研修センターBLOG by田中春秋 at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | キャリアカウンセラー:必要な能力・知識・資格 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月21日

キャリコン1級論述

キャリコン1級の論述問題読みました。

以前から分かりにくかった分野別問題の問4、問5。
今回はまとめて1問になっていて分かりやすくなりました。
これまで環境への働きかけ、とネットワーク能力と別になっていましたが、実際は分離する方が難しい。

それと今回整理されたのが、
事例相談者の様々な問題を発見し、
その中で優先的に対処すべき問題を選び、その問題に対応した目標とその指導法を具体的に、
という内容です。

これで分かりにくかった部分がすっきりなりました。

今回の論述問題面白かったですね。
共通問題に倫理問題を入れて、倫理面の指導も重要というメッセージや
分野別の学校向けで、指導者たる者法律の変化もちゃんと押さえないとダメというメッセージとか、
誰が作ったのかは知りませんが、工夫されていると思いました。
企業、需給調整、学校と難度が違うかな、とも思いましたが、難しければ簡単な方を選択できるのでまあいいか。
昨年はどの領域も関係構築さえできないようなケースばかりだったのですが、今回は課題もばらけていて学習になります。

分野別の学校分野。
技術派遣の正社員。
これって、特定派遣の技術職の事。
派遣法改訂でどうなったか知らないと、カウンセリングの方向(指導の方向)が狂ってしまう。

とはいえ、試験は27年4月1日の法律知識で良いので知らなくても点はひかれないのだけど、法律を知る重要性を考えさせられます。
だいたい、2013年末に特定派遣廃止の方針を厚労省出していたので方向は分かっている。カウンセラーは他人の人生をの大きく関わる仕事なので責任重大です。続きを読む
posted by キャリア研修センターBLOG by田中春秋 at 22:46| Comment(0) | TrackBack(0) | キャリアカウンセラー:必要な能力・知識・資格 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする