2007年10月20日

企業にとってのキャリア研修の価値

キャリア支援を受けることができる人を増やす為に、HPに企業人事が経営に対しキャリア施策を提案する汎用企画書を作ろうと思い、色々調べています。
今回、高橋俊介先生の「組織マネジメントのプロフェッショナル」というすばらしい本と、丁度今週企業でキャリア研修をやり、その印象とで、企業はキャリア研修を実施すると何がよいのか、自分の中で言語化できたので書いてみたいと思います。
まず、今企業は個人の自立が必要で、自立のために個人のキャリア施策が必要、というのは直観的にみなさん感じてらっしゃると思います。
でも、それを正々堂々と経営にどう伝えるか、実は私もうまく言葉にできていませんでした。直観的に「キャリアが必要」と分かってくださるセンスのいい会社でのみ、キャリア支援が実施されているのが今ではないでしょうか?
この高橋俊介先生の本は、経営から見ても分かりやすく、自立の必要性を説明してくださってます。
@商品の差では単価勝負になり、多くの企業は「ソリューション」による価値を経営戦略の主軸にしている。ソリューションを行う場合、顧客窓口の「第一線(現場)」が自立的にWHAT→HOW→DO→CHECKのWHATを考える力が必要。
A競争が激化しており、顧客満足度を上げ感動(5点)を取るには「第一線(現場)」がマニュアルでなく自ら自立して対応する必要がある。
これがベースの自立組織の必要性の話。
これにはまず異論がないと思います。
次はその自立組織実現で何が必要か?
1)WHAT構築能力のある第一線リーダーの育成
2)ビジョンやバリューの浸透と共感
3)顧客価値の理解と先行指標の提供・・・
(7つ書かれていますが最初の3つだけ紹介します)
これについても、そりゃそうだ、と経営は納得するでしょう。
これまでの日本社会はWHATは経営と一部の経営スタッフが作り、現場は「それをどう実現するか」HOWとDOを一生懸命やっていました。
WHATを作る能力は、全社でも一握りで十分だったわけです。
ところが、第一線の現場にWHATを作る能力が必要、となると、相当な比率でWHATを考えるリーダーが必要なわけです。先生はそれを実現できるリーダーをビジョナリーリーダーと呼び、求められるもととして以下を整理しています。
@)ビジョンという概念的WHATを構築する能力
A)概念的メッセージを伝達する能力・・・
(本には4つ書いてあります)

先生は上記の経営課題とキャリアの関係でいうと、
従業員満足→顧客満足→株主満足
詳しくは
「1人ひとりが生き生き働ける職場→社員の充実感が高まる→社員のモチベーションが高まる」⇒「顧客満足度が向上する→リピーターが増える」⇒「業績が向上する→株主の利益になる」というバリューチェーンを書いて説明してらっしゃいます。

以上が高橋先生の本の話。
この「従業員満足」のために、仕事と個人の価値観・スキルのマッチ度高くし、結果生き生き働けるし、モチベーションがあがることによる業績向上を期待して、キャリア支援施策を行う、というのがひとつの説明になると思います。

私が閃いたのは少し違う言葉で、「キャリア研修」というのは、自分についてのWHAT→HOW→DO→CHECKを考えさせている、ということです。別の表現をするとキャリアビジョン→と言ってもいいかもしれません。
丁度昨日、キャリア研修をやったのですが、ワークバリューやライフロールにあわせ、PLAN→DO→CHECKが今仕事でどれだけできてますか?という自己認知等をベースに、自分としての(抽象的な)「キャリアビジョン」を考えてもらい、具体的なマイルストーンになる目標と、実現の為の具体的な実施方法、を考える、というのが研修の内容。
これって、即ちやっているのは、自分についてはWHAT→HOWを考えるまでのステップ、この先は実行し、振り返り、修正し・・・というDO→CHECK→WHATへのサイクルとなっていくわけです。

考えてみれば、自分についてのWHAT→HOW→DO→CHECKをまわせない人が、顧客のWHAT→HOW→DO→CHECKや自分のチームをひっぱるWHAT→HOW→DO→CHECKをまわせるわけがありません。
まず、自分をベースにしたWHAT→HOW→DO→CHECKが腑に落ち、今を振り切れるということはビジョナリーリーダー育成のための第一ステップと十分言えるのではないでしょうか?
さらに、価値観の多様性。自分と他人と違う、というダイバーシティを実感していると、顧客が求めるものに応じたWHAT→HOW→DO→CHECKをまわせる。

経営から見ると、従業員のモチベーション向上の為にキャリア研修をやる、というよりも、よほど投資の合理性がある、と感じるのではないでしょうか?

みなさんのご意見・ご感想をお待ちしています。汎用企画書に反映させていきたいと思っています。
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 21:55| Comment(1) | TrackBack(0) | (企業:キャリア施策事例総論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
福岡でキャリアに興味を持っている方を探していたところこちらにたどり着きました。
私も長年、大学で就職支援をしています。
現在は九州大学で研究しています。
同じ分野の人と語りたいのですが東京ばかりなので福岡も盛り上げて行きたいです!
ぜひ情報交換をよろしくおねがいします。
井上奈美子
よろしければキャリア研究室と言うブログをしておりますので、お立ち寄り下さい。
http://career8.exblog.jp/
Posted by 井上奈美子 at 2008年08月02日 23:41
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