2014年12月03日

福岡熟練1日1122の質問への回答です➀

福岡熟練1122に参加されたみなさまへ。
遅くなりました。アンケートの質問への回答をします。
研修に参加されていなくても、熟練レベルキャリコンを目指す方には参考になると思います。

Q1)面接の目標において、カウンセラーとして違和感のあることであっても、クライアントが大きくうなづけばそれでいいのでしょうか?
A1)違います。目標は原則「2人で目指す目標」です。質問内容はクライアントは目指してもカウンセラーは納得していない。2人で目指していない。
違和感解消の方法は大きく2つあります。ひとつはクライアントに「どうしてそれを目指すのか」もっと詳しく教えてもらう。それで自分も理解する。もう一つの方法は「私はむしろ**がいいと思うのだけど、あなたがそれをどう思うか?」等自分の考えや社会一般の考えをぶつけて相手が何故それを目指すのか理解しようとする。
そういう行為なしに表面的に目標を聞くと、形はあっているけどクライアントのニーズに沿わないところに連れて行ってしまいます。
無論違和感が個人の価値観の違いによるものであれば、自分の価値観でなく相手の価値観を優先するのですが、本当に価値観の違いかはもっと分かろうとしないと分かりません。
質問にあった「クライアントがブラック企業かどうか分からない企業の内定を断ることを前提にしたい気持ちが強い場合、断り方を知る、ことを目標にするのか、ブラックかもしれない企業の内定を断るかどうか判断する、ことを目標にするのか」という問題も、結局は問題をしっかりと深めていない(自己理解を深めていない)のが原因です。
完全にホワイトの優良企業にすぐ内定取れるなら「断り方を知りたい」を目標にしてもいいでしょう。
しかし、ここを断るとどこに入れるか分からない、入れないかもしれないという中で、「断る」だけをクライアントが求めているはずもありません。
「断る」前提に「ブラックかもしれないから」がある。正しい情報がないと正しい判断はできない。
クライアントが言いたい問題は、正確に言えば「せっかく内定を取ったけど、もしかしたらそこはブラックかもしれないとネットで知った。もしブラックなら断って別の会社に移りたいが、今からどんな会社に入れるかも分からずどうすればいいか迷っている」等のはず。
だとすれば、1)その会社がブラックなのかどうか分からなくて困っている 2)もしブラックなら断りたいがどうすれば断れるか分からない 3)しかし断ったとしても次を見つけないといけないがどうすればよいか分からない 4)もしこれから手に入る会社がブラック以下か手に入らないのならば、我慢してブラックでもはいっていた方がいいかもと思うと決めれない  こういう構造です。
そこを共有したうえで、一番の基本はブラックかどうか分からないことだから、ここから手を付けるのはどうか、そのうえで2)−4)は結局ブラックかもしれない今の企業の内定を断るかどうか判断する、となる。
基本は嫌がらないと思います。
ただ、クライアントが頑なに「ブラックかもしれない」ことに拘って「断る」ことを目標にすることを譲れない場合は、カウンセラーは「仮目標」とおいて、「ネットにちょっと書いてあったから断る」では納得してもらえないので、断るにしても実際はどうなのか調べる、等をストラテジーの中に入れて進めることが求められます。
「クライアントが言ったことだから、失敗しても自己責任」というのはプロ失格です。クライアントが気づいてないプロの視点を如何に解決に入れるかが大事です。

Q2)合格点の基準どういう答え方をすると合格になるか、どういう答え方だと不合格になるか知りたかった
A2)受験生だと切実な問題だし、願いですよね。でも、この質問は「私が何をするか」という自分の行為にしか目が向いていません。これが不合格になりやすいパタン。どういえばいいか、決まった行為をすればいい、ではカウンセリングはダメなのです。
クライアントは何を訴えているか、それに対し、自分は何をしたか、結果クライアントはどうだったか(関係構築なら分かってくれたと感じたか、戦略対処なら役に立ったか)この一連の流れが大切。結局はクライアントのためにやっているのですから、プロセスが関係構築なら「クライアントが分かってくれた」と感じるか、問題把握なら「クライアントの自己理解が進み自分の問題がはっきりしたか(共有できたか)」、方策対処なら「クライアントの問題解決目標達成の役に立ったか」から照らしてみて、適切な行為であれば正解は多数あります。
逆に、クライアントが訴えていることや、プロセスの違いによっては、ある場面では正解でも、別の場面では全然ダメになる訳です。
「自分の行為」から「クライアントのために」と視点を移すことが、合格への早道だと思います。
Q3)論述の書き方がまだすっきりしません。特に問題2が難しく、問題3についても解決方法が十分に書き出せていません
A3)問2はカウンセラー視点の問題。クライアントの認知のゆがみ(考え方がずれている点)、クライアントの知識や情報の不足、クライアントのスキルの不足、クライアントの性格の偏り、クライアントの環境上の問題等に気づく力を求めています。カウンセラーに必要なのは常識や深い知識と、論理的に考える力。相手の考え方がジャンプしていたり根拠が十分でないことに気付く論理性が重要です。
問3は問2が良くわからないとクライアントが言っている表面的な問題に迎合した御用聞き的な解決策になります。
問2で認知のゆがみが見えていれば、関係を深めたうえで伝えて受け入れてもらうだけでも一歩目が進みます。
知識不足なら情報提供が、スキル不足ならスキル取得が、環境上の問題なら環境への介入が解決策になります。
問1を尊重しつつ、問2の要素を如何に解決策に入れていくかがプロとしての解決能力に繋がります。

Q4)問題を共有した時点で時間切れになってしまったが、口頭試問でその後の目標、方策が言えればいいのですよね?
A4)口頭試問は自分が実行できてない部分も実際は分かっていることを採点官に伝えるリカバリーの時間です。
なので、できなかったことはしっかりと口頭試問で言う、というのはあっています。
ただし、実際に実行した行為ではなく(クライアントが受け入れたという証拠がなく)、知的に分かっていた証明ですので、60/100以上の点をもらうにはその前に関係性や問題把握がしっかりしていないと60まではなかなかつけてもらえません。リカバリーなので、当然面談の中でやれた方が良いです。
一方で、全部の要素をやるために、関係が十分でない、問題が十分でないにもかかわらず次のステップに進むのは飛ばした後のステップは基本的にボタンがずれているのでそちらの方が合格できない。
つまり、やれることは、一つ一つンプロセスを大事にしながら、順番に進み、ダメだったらリカバリーとして口頭試問頑張る、ということです。

Q5)自分がクライアントの問題は「一歩が踏み出せないこと」と思いアプローチしてみるが、CLが仕事の話をするのでその方向へ行ったが・・・うまくいかなかった。
A5)大事なことは自分のアプローチの後CLが何を伝えたくて「仕事の話」をしたか、です。「今の仕事の話」をしたとすると、今の仕事の辛さや嫌さがまだ十分吐き出し切れていないと感じて、もっと言わせて(受け止めて)と伝えているのですから、解決を急がず気持ちを受け止めるのが対処になる(そこを消化して解決策に進む)。そうでなく「これからの仕事」を言ったのだとすれば、「一歩目を踏み出す」と言っているのに何故「これからの仕事」を伝えているのかしっかり考えて受け止めることが大事。何を目指せばいいかが自信がない、自己理解が不十分でそれでいいのかわからない、だから一歩目が踏み出せない、と言っているのかもしれません。
その場面が良くわからないのでこれ以上言えませんが、クライアントはその言葉を通して何を伝えたいのか、自分がやった行為に対してどういう返事をしているのか、しっかり考えてみてください。

Q6)カウンセラーの価値観の押しつけとクライアントのために情報提供したり答えを言う境が良くわからない。
A6)どんな応答にも所詮カウンセラーの価値観は入ります。問題は「押し付け」。「提供」と「押しつけ」の違いは相手の最初の提示ではなくそのあとの関わりが、クライアントが「違う」「嫌だ」とと耐えているにもかかわらず、クライアントの言い分を理解しようとせずに、自分が正しいとその答えに執着するのが「押しつけ」。
「正解はこうです」ではなく、「私はこう思いますけどどうですか?」とIメッセージでいうと、押しつけ感は弱くなります。

Q7)私は日常から材料提供が必要と判断したら言うようにしているが、それは解決策に向かうことになるのではないかという気がして、今日は怖くなり自然にできなくなった
A7)「解決策に向かう」のが悪いように書いていますが、クライアントは解決するために来ているのです。解決策に向かうことは悪くありません。プロセスの問題。関係構築ができ、問題目標が共有できたなら、カウンセラーが「これを知っているのが問題解決目標達成のために必要と思うけどどうですか?」と言ってもらって嫌がる人はいません。
ただし、プロセスが関係構築で、自分が今どういう状況でどう感じているかを訴えているのに、そこを理解する前に「これが必要」と情報を投げられると、「あなたはこの程度のことも知らなくて悩んでいる人だ」と軽くみられる感じがします。問題目標を分かってもいないのに(カウンセラーとも言えますが、クライアントが自分自身の問題目標を自己理解できる前に」情報を伝えられても、それが役立つ情報だとしてもその情報の意味を十分理解できません。効果が低い。
それだけの話です。関係をつくり、問題目標を共有したら(問題解決のプロセスに入ったら)、クライアントに必要な情報は、何故必要か相手に分かるように伝えてあげると効果があがります。それまでは伝えてもあまり効果はあがりません。もったいないですよ。

続きはAに書きます。
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | キャリアカウンセラー:必要な能力・知識・資格 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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