2013年10月14日

関係構築から問題解決勉強会質問への回答

10月12日福岡で関係構築〜問題解決までの勉強会と、夜はキャリアカウンセラーの交流会を実施しました。
交流会は貴賓館という歴史的な建物(国の重要文化財)の一角を借りて行い、約50名がひたすら話しまくっていた楽しい時間でした。ネットワークが広がったことを期待しています。

さて、勉強会での質問にお答えします。

Q:20分でまとめようと思い、感情をしっかり聞いていないのでは?
A:短時間しかない面談の場合、感情を捉えなければ先に進ませてもらえないので、長い時間の面談以上に捉える意識をしてください。だいたい、感情はメインテーマの手がかりでもありますから、無視すると先に進まない。
「しっかり聞く」ですが、多分もっと長い時間をかけて十分聞かなければならないのでは、と不安を感じての質問だと思います。自分がクライアントで、何かに困り何かを手に入れたくて相談に来、初回の時間が20分しかなかった時、その感情ばかりを延々話したいでしょうか?
来談の目的を忘れているその場の感情に流される方もいらっしゃいますが、「解決したい」と本当に思っている人であれば、個別の感情をもっと話したい気はするものの、「思いがある」ことに気づいてもらえれば、「しっかり」は後日でもいいので、まずは「何に困ってどうなりたいのか」「この後どうすれば問題から脱出し目標に行けるのか」「この人と続けていけば欲しいものが手に入りそうか」20分で目途ぐらい立てたいと感じるものです。
結論で言えば、感情をしっかり聞いて問題や目標が分からないままではクライアントも結局途方に暮れるということです。感情をしっかり聞いて、結局問題や目標が伝わらないままのカウンセラーは、ガス抜きにはなるけれど解決には役立ちません。
ただし、感情があまりに大きく、今回の面談は感情を受け止める事だけに専念し、問題目標は次回実施する、という戦略も感情の大きさによってはあり得ます。そこはカウンセラーの自己判断が必要です。
(追加:解決したいと思って訪問したのに、本来の目標を忘れ、目の前の感情を話しているうちに時間が無くなり結局解決の糸口が手に入らないというタイプのクライアントもいます。カウンセラー視点の問題として、このクライアントは目の前に感情に囚われて大事なものを手に入れそこなうという事を繰り返しているだろうという視点をもつことが必要です。そういう人にどう対応するかというカウンセラーの自己判断でもあります)
Q:うまく話をまとめたり、時間の調整をするコツが分からない。
A:意味への応答を参考にすると、どういう事柄に対し、どういう感情があるかを表現する。伝えたい対象や状況は何か、それをこの人はどう感じているか、シンプルに言うとまとめやすくなります。
短い時間の面接の時間調整は私もまだ慣れません。半端な部分で終わらない為には、「問題共有」「目標共有」等ある意味小さな区切りを作ることが安心感がある気がします。
Q:問題をはっきり言わない方への良い質問のかけ方は?
A:多分問題の絞り込みや本当の問題は何かが整理できないクライアントにどう対処すればいいかということを言っているのだと思います。
検定ではメモをかけないので、使えませんが、現場でやるとよいことは、まずは問題や気になっていることを全部書き出すということです。全部書き出して、可視化し、で、グルーピングや関連性や重みづけ緊急度等考えながら見ていくと、問題の核心を整理できます。
カウンセリングはこれと同じことを言っては消える言葉でやるので難度が高い。紙に書くようにひとつひとつカウンセリングの中で整理していくということです。その意味では、傾聴しながら、カウンセラーが整理を進めてください。
Q:グチを吐きたい。主訴が吐き出しだけでもよいのか?
A:グチを言うだけだったらカウンセラーのような専門職でなく友人や飲み屋で言ってもらえばいいと思います。グチと捉えるとカウンセリングの本来の目標である行動化に繋がりません。
例えば上司が嫌な奴で、というテーマとして、グチだと聞いて終わり。でもカウンセリングとして捉えるのならば、「上司が嫌いで、仕事が楽しめない、やる気にならない」が問題。「昔のように楽しく仕事に向き合う方法を見つけたい」が目標で面接を行い、結果やる気が戻り(モチベーション向上)、仕事の量や質を増えたのであれば、これは企業内カウンセリングでも報酬をもらえます。
言うだけで行動を変える気がないのか、何かを変えたくて相談に来ているのか、ここが分かれ目です。
Q:問題・目標の共有は言葉で伝え返しているが、本当に共有できているのか?
A:できているかどうかの手がかりは伝え返した後のクライアントのフィードバック。表面的な言葉だけでなく、ノンバーバルも含めそうだと言っているかちょっと違うと言っているか確認してください。ちょっと違うならどこが違うか本人に聞き修正する。それでも、面接を進めるとクライアントは「やっぱりちょっと違ったかな?」と思うケースもよくあります。そうしたらまた修正する。面接はらせん状に進む、行ったり来たりしながら進むので、絶対的な本当でなくてもいいのです。
Q:漠然としている問題を相談されてしまった時、どう整理していいか分からなくなります。
A:分かったふりをしても共同作業にならないので、***までは分かったんですが、そこについてもう少し具体的に教えてもらえませんか?等言う方法があります。きっかけは、とかどんな時に、とかですね。
と問えばエリスの論理療法(REBT)の、「A:出来事・きっかけ」-「C:結果・感情」をクライアントが語り、その背景に「B:考え・信念」のフレームで考えると、Cの漠然とした不安だけ言われても良く分かりませんが、ABCを整理すると結構整理できます。
Q:CLが自分のカウンセリングで本当に良いのか自信がない。
A:面談の最後に「今回の面談で分かったこととか気づいたことがありましたか」「来た時と今とで何か変化がありましたか」のような質問をすると、変化があったかほとんどなかったのか分かります。小さくても変化があれば役に立ってます。小さな変化が大きな変化に繋がるので。
他の人ならもっと大きな変化を生めたかも、というのはありますが、自分が変化を生めたのか、次回同様の面談の時にはもう少しだけでも変化を大きくできるように自分が成長できるよう努力すると思ってください。自分が日々成長すればクライアントに与える変化=価値も大きくなります。
Q:自分の枠だけで判断していないか?
A:論理思考に自信がない、ということですね。怪しいと思った時に「なぜならば」と理由を他人に説明するイメージを持ってください。自分ひとりだと論理性はいらないえれど、誰かに説明しようと思うと論理性が必要です。練習としては書いてみる。それを読んで、自分が納得するかなー、何が変化、何が足りないかを考えると良いと思います。
Q:共有することが難しい
A:共有しないで共同作業をするのはもっと難しいので、努力してみてください。完璧でなくても共有できた分ぐらいずれにくくなります。
Q:リフレーミングのこつは
A:傾聴や問題共有のシーンだと、「だったら**さんは、」「じゃあ**さんは」等を意識して頭につけるとずれにくくなります。
Q:CLが「これが問題です」とジャッジできる能力があるのか疑問。自己理解の能力が全ての人にあるという前提でカウンセリングしていくのに無理を感じる
A:CLに本当の問題を最初からジャッジしてもらいません。CLにジャッジしてもらうのは「あなたが困っている問題」「あなたが本当に困っている事」です。正しい情報がなければ正しい判断はできない。素人なので真の問題は最初からは分かりません。
でも、CLが何が困っているのか本当の意味で分からないと先に進めません。大体、解決行動をするのはそのCL自身なのですから、自分が困っている事とカウンセラーが言う解決策とが繋がっていると思わなければ行動しないので効果は生まれません。
自己理解の能力が全ての人にあるという前提でカウンセリングを行うのではありません。エドウィン・ハー先生のカウンセリング定義は、詳しく見ると「自分の行動に責任をもているクライアントが」という文章が入っていて、自分の行動に責任が持てない人はカウンセリングが効果を出せるわけではないのです。まずは指導教育矯正が必要な場合もあります。しかし、多くの人は自分の行動に責任を持っているし、多少責任を持てない面もあるけれど、責任を持てる健康な面に働きかけ改善をはかることもあります。
Q:話を変えるかと思い、質問のタイミングが分からない
A:相手が伝えたいことを意識し、それを理解するための質問であれば別に話は大きくは変わりません。分かったふりをするのではなく、伝えたいことをしっかり分かる、あるいは何に困っているのかしっかり分かるために質問してください。問題目標が共有できたら、プロとして解決のために必要な質問もあるはずで。そこは解決方法がわかっているか、が大事です。
Q:問題の解決方法が今ひとつわからない
A:過去の先輩たちが実践し、集約した知恵をまとめたものが理論です。キャリア問題の解決にはキャリア理論が役に立ちます。勉強するといいですよ、。キャリア理論だと渡辺三枝子先生の本が定番です。
Q:CLが問題点を把握している(クライアントが課長で部下の訪問回数が少ないので改善して回数を増やしたい)が、具体的に回答を求められても回答が見えず堂々巡りした。
A:堂々巡りしたのは表面的な問題で留まったからです。もっと問題の本質を自己理解してもらう。増やしたいなら命令すればいいだけ?何に困っているのか?命令したくないのか、命令しても聞いてくれないのか?今は部下の事を問題にしていますが、自分に向かないと解決には進みません。問題の核心を理解する、というのを進めるといいと思います。
Q:根拠と判断レベルが一致しているか、とは?
A:例えば根拠の発言が「最近仕事が多くて、3時間とか4時間半とかしか寝れないんです」というのを根拠に「うつ病だ」は言い過ぎですよ、というようなこと。手がかりかも知れないけど、そこまで言うのは情報不足ではないか確認必要と言っているだけです。けっこう根拠よりも強く判断される方いらっしゃいます。
Q:これまで自分の団体ではクライアントの状況を知るために多く質問をしなさいと言われたが、今日は必要な質問をしなさいとやや違って感じた。
A:多く質問しても自分の問題や目標に関係ないと??と感じます。効率上も無駄。しかし一方で「必要」かどうかの判断が難しい。必要な情報を一番知っているのはクライアント。なので、効果的に必要な情報を集める最も有効な手段が傾聴です。その上で、「問題」「目標」が共有できれば必要な情報で足りないものを聞く。目的意識なしに質問で情報を集めると、それがノイズになって問題や目標が逆に分からなくなります。
その団体で言いたかったことは、あまりに質問をしてはいけない、という風潮が蔓延しているので、「今よりも多くしていいですよ」と0に対して多くと伝えたつもりではないでしょうか?0ではなく必要な情報は聞いてもよい、と。
無制限にタダ情報集めろと言いたかったのではないと信じたいと思います。
Q:クライアントの時に提案されて「もっと理解してほしいと物足りなさを感じた。これは甘えか?
A:普通です。提案されても自分の問題や心理的シーンとあっていないと受け入れません。カウンセラーとしては言葉で同意してもノンバーバルで違和感がありそうだ、と感じるセンスが重要です。
Q:相手に確かめないといけないことを聞けてないことが2回あった。
A:必要なことはクライアントは何回も言うので三振前に捉えることができるように努力しましょう。更に、クライアントにとって重要な場合、三振してももっと強い表現で伝えてきます。あわてない。
Q:キーワードの探し方
A:まあ、最初に言ったこと、感情がついていること、繰り返している事等を手掛かりに、自分のセンスでこれが大事?と確認してみることです。キーワードというよりも、伝えたい事理解ぐらいがいいかな?相手かまわず****はキーワードと誤解されても困るから。人により問題により大事なものは違います。言葉が独立して大事なわけではない。
Q:「問題」というう言葉を使うのが良くないのではないかと思った。課題はと言った方がCLの反発を受けないのでは?
A:「問題」はカウンセラーの学習用語です。クライアントがフィットする言葉で使う。私は「困っている事」とよく使います。相手やその問題状況により言葉を変えてください。これは他も同じで、4Sトランジションの「戦略」は「工夫したこと」とかね。
Q:自分の得意な技法が分からない
A:自分がやっているカウンセリングを整理してみてください。大体理論を知らないとどれを使っているかは分からないので、理論の学習をして照らしてみてください。
Q:わからないことがわからない、という抽象的な表現をされているケース
A:これだと何に困っているか(だから何に困っているのともう一歩踏み込んでもらわないと進まないのだけど)抽象的なケースで「何が問題か分からない」というケース説明します。この場合、問題が分からないので本質的な問題解決行動に移れません。なので、最初の問題目標を
問題:何が問題が分からない→目標:自分にとっての問題は何かを見つける、を最初の入り口にして、問題が分かって次のカウンセリングン進むというのも一つの方法です。一歩一歩すすめばOK。
Q:多少違うのに「そうです」と返すCLのズレをどう発見するか?
A:CLはカウンセラーに嫌われたくないので、けっこう「そうです」と違っていても言います。言っている内容の不整合やノンバーバルに注意するしかないし、まあそこで気づかなくても変な方向に行って困るのはCLなので、どこかで修正したくなりますからそこで修正しましょう。
面接を逐語にして確認すると、そういう「そうです」と言う人も返事で差があることをよく発見します。
「まあそうです」「そうです」「本当にそうです」という表現の違いや、声の強さ、速さ等結構違います。
ノンバーバルは大事ですよ。
Q:良く話さないCLに対処(テストのクライアントで話してくれない人がいるらしい)
A:傾聴技法をしっかりやるしかないです。言葉或いは態度を通じて、分かったことを返す。
テストのクライアントで話してくれない人のような話は私も結構聞きますが、クライアントの問題よりも自分のスキルの問題と考えた方が実態に合っていると思います。
大体クライアントは相談をする業務委託をされてきているし、不自然に黙れば試験官の上級カウンセラーが「不自然だからちゃんと相談したいクライアントの気持ちになりなさい」と指導されるはずなので、「話さないクライアント」ではなく「話しにくい応答」をカウンセラーがしていると思った方が妥当だと思います。
クライアントの第一応答は、テストの場合条件を同じにするためにほとんど同じことを言うように設定しているケースが多いのですが、同じことを同じように言うのに話が弾む人と、「はい」だけで返事が言いにくい人の差がでます。
多くの場合、カウンセラーの応答が「言ったことレベル」「事柄・状況として返している」場合は、話がはずみません。あってはいるけれどだから??とクライアントは感じます。
そこで1-2秒間があき、カウンセラーが不安になって質問をはじめ、質問答え質問答えの魔のループに入り、何を聞けばいいかカウンセラーが行き詰まり自爆する。
話してくれないクライアント、と感じている人は、自分のロープレの最初の5応答程度でいいので逐語に書き、行ったことレベルでないか、状況で戻してないか確認してください。
傾聴のレベルを上げることが大事です。

以上お返事でした。


あー今日の授業が始まるから、早くご飯食べて出かけなければ・・・・
感想読みながら返事を書いていて、2時間も返事を書くのにかかってしまった。

posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 07:46| Comment(2) | TrackBack(0) | よくある質問への回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お忙しい中迅速なご回答をありがとうございました。
「もっと試験だから理論をガッツリ盛り込んだ、気の利いた返しをしなくては!」と思い込んでいたことに気がつきました。
自然と、普段やっている姿勢を基本に、論理的にCLに対して寄り添い、質問し、CLの行きたい場所へ道案内できるようにしたいです。参加して良かったです!!!!!!!。
Posted by 山根 さおり at 2013年10月15日 21:01
山根さま

お疲れ様でした。
難しい事を難しく伝えるのではなく、相手に分かるように簡単に伝える方が良いのです。
理論も知っていた方がいい解決出来ますが、理論ばかりが目立ってもクライアントには何のことか分かりません。

自然体を如何に出来るかは大事ですよ。

投書ありがとうございました。
Posted by 田中春秋 at 2013年10月15日 21:25
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