2013年07月26日

花田光世先生の本発見!

久しぶりに大型書店を徘徊して、何と花田光世先生の本を発見しました。凄い!!
「働く居場所」の作り方(日本経済新聞出版社1600円+税)
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E5%83%8D%E3%81%8F%E5%B1%85%E5%A0%B4%E6%89%80%E3%80%8D%E3%81%AE%E4%BD%9C%E3%82%8A%E6%96%B9%E2%80%90%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%9B%B8%E8%AB%87%E5%AE%A4-%E8%8A%B1%E7%94%B0-%E5%85%89%E4%B8%96/dp/4532318947/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1374831659&sr=1-2&keywords=%E8%8A%B1%E7%94%B0%E5%85%89%E4%B8%96
(他にも「新ヒューマンキャピタル経営 エグゼクティブCHOと人財開発の最前線」が出ていましたが、キャリアカウンセラーには「働く***」の方をお勧めします)

何が凄いかと言うと、花田先生は企業のキャリアでは日本の第一人者で私も多くのことを教えて頂いたのですが、本を全然書いてもらえず、セミナー等のハンドアウトでしか資料が手に入らなかったのです。
まとまって本で読めるのは凄くうれしい。
OJD(オンザジョブディベロプメント)の概念を教えて頂いたのも花田先生ですし、私が企業で「強み弱み」の説明で使っているフレームも花田先生に教えて頂いたもの。節目が大事でその間はドラフトしてもいいであったり、人間力やメタコンピタンシーの概念も花田先生。お付き合いを初めて約10年ですが、実に多くのことを花田先生に学ばせて頂きました。
日本の大手企業の人事が共同で先生の下で勉強会を継続されており、先生は今の企業の実態や本音が本当に分かったうえで何をすればいいかを教示頂ける数少ない学識者です。
ついでに言えば、私はキャリアカウンセラーと言っていますが、花田先生はキャリアアドバイザーという呼び方を約10年前からされてらっしゃいます。お話を伺うと定義はキャリアカウンセラーと全く変わらないのですが、わざわざ「アドバイザー」と言うのはどうもキャリアカウンセラーが「傾聴」「理解」をすればいいと誤解している人が多いことを心配し、バランスを取る意味で「カウンセラーからの働きかけも重要なのだ」という主張をされていると理解しています。傾聴止まりでなく対処までをやる意思のあるカウンセラーはご一読をお勧めします。

今回の本は企業の中の普通の人向けの本、というターゲット設定。
最初に「どうして」を3回繰り返して問うなどが書いてありますが、事例を読むと「達成感が大事」と言われても「どうして」を3回繰り返すと「まわりから認められるということを通じて自分が成長し、大きくなることが大事ということですね」まで変化することを指摘されている。
ワークショップでやることの例として書いてありますが、これカウンセリング場面でいうと、クライアントが「達成感が大事です」と言って「達成感が大事なんですね」と言えばいい訳ではなくて、その下3層ぐらい内面を理解しないと本当の支援をするためには不十分、ということを気付かせてくれます。
プランドハプンスタンス(クランボルツ)のモデル図もあり、こういうモデルを見ると支援の中でどう使えばいいかイメージしやすくなります。
モチベーションも神戸大の金井先生の4領域(緊張系、希望系、合理的認識系、関係性系)に加え、2つ(社会性系、成長系)を加えてあり、なるほどなー、と感心。
職師という新しい概念(職師=長い人生、キャリアステージと呼ばれる、仕事のステージごとにそのステージに見合ったキャリアを構築し、次のステージを能動的、積極的に構築するというキャリアチェンジを実践し、新しい領域で自分の仕事を構築していくことのできる集団)を提案され、変化の激しい現代への対応を提案されています。
自分のあったやりがいのある仕事でなければならない(現実にはあってない)、というキャリア支援の問題点を現実の会社を理解したうえで提起し、社会人基礎力にも基本のマインド部分が欠落していると喝破します。
(正しいと思うことをきちんと主張されるところが個人的に私は好きです)
オンザジョブディベロップメントやワークライフインティグリティ(バランスではないのがミソ)についても文章として十分説明を今回はされてないのですが、図表等を通して少し理解が進みます。

企業で実際に支援されるかただけでなく、キャリアカウンセラーはみんな読んだ方がいいと思います。企業と個人の両方を満足する支援をするためには必読書。

でも今回私が一番響いたのは、明日から指導者研修をすることもあって、以下の内容でした。
(以下引用)
専門的スキルだけではプロフェッショナルではない。(一部略)仕事をしていくにあたってのマインドが重要となってきます。(一部略)職業専門家としての職業や仕事の視点からの責任が重要となり、特にそのプロフェッショナルとしての「倫理」「社会的責任」が仕事を遂行していくにあたり、重要な要素となってきています。(引用終了)
私が言いたかったことを言葉にしていただけた感じです。
最近2回ほど「倫理」の話題を書きましたが、スキルが高くても倫理観や社会的責任や影響を考える力が弱い人は指導者やスーパーバイザーには不適切(花田先生の指摘は指導者だけでなく、キャリアカウンセラーのプロとしても不適切ということ)。「高めてください」ということ。この週末の授業で私がそこをどこまでメンバーに伝えることができるか、です。




職師、でいうと、キャリアチェンジをしながら変化に対応し、達成する生き方。
私はリクルートで、6-9か月ごとに移動するような仕事を社会人生活の前半に経験できたのがすごく人生のために良かったと思います。

企画配属:同期から「どうせお前なんか売れない」と言われ、向かないと思う営業に自己申告(6か月で異動)
入社時が1、日本の最高が10とすると、入社時1→出るとき3ぐらいに成長
営業配属:ここも6-9か月ごとに異動。しかも通信事業でリクルートのブランドは通用しないうえに、ちょうどリクルート事件があり、会社ブランドではなく個人の人間性や信頼度で売る必要
異動時が2(職種変わったので)→最後は7ぐらい。トップ営業マンで、人事に「売ってもこのぐらいだけど事業を作った方がもっと会社も受けさせることできる」と言って自己申告で異動(4拠点でトータル3年の経験)
技術部技術課配属:通信の事業体作るには技術もわかる必要ある、とまずは技術課に。「どーせ売れても技術分からないと作れない」と言われ、結果第一種電気通信技術者、デジタル1種工事担任者、アナログ1種工事担任者と通信系の監督現場両方の一番上の国家資格を持つ技術者に。でもこの生活はお断りだと体感。
異動時3(職種変わったので)→最後は7ぐらい(NTTの局用交換機NAEXとかの設定は自由にやれるようになりました)
以後、商品開発、事業開発、出向でのアライアンス企業立ち上げ、ダイエーグループのコンサル等様々やりましたが、色々経験するうちに
異動時5(なぜならば、知らないのはその職場で必要な固有の情報・技術だが、それは周りの人が知っている入手容易な内容であり、サポートを探して教えてもらえる関係作ればいいだけ。チームとしては他の職種・業界の知識をインプットできる機能を追加できるので±0で平均ぐらいにはすぐなれる)
で、6か月以内に7(固有の情報や技術を教えてもらい、長い期間の熟練が必要なものだけシニアに助けてもらえば十分ハイパフォーマーになれる)になれると確信し、実際に実行できるように。
7から9にするのは相当以上の努力と、1万時間ぐらいの経験が必要なのだと思いますが、短期で上位30%ぐらいまではどういう領域でもやれる自信がつきました。
つまり、変化は怖くない、ということ。

というよりも、できない部分ができるようになる期間が一番楽しいので、私自身は自分ができないことが好きです。できない自分が好き、正確には、できないからできるようになっていく自分が好き。やったことないことをやってみたい。3年ごとに領域を変えたい衝動、があります。
自分の人生を振り返ると、けっこう他人に「できない」と否定されるのが成長のきっかけになっている。まあ、昔から生意気だったのが問題だったのでしょうね。誤魔化して迎合するの嫌いで、違うと思えば違うと素直に言うから。
私を否定する人は凄く嫌い(と言うより、根拠なく普通とが当然とか論理的でない否定をされると超反発したくなる)ですが、でも大事にしたいと思っています。できない、と言われる方がやる気がでる。

無意識のうちに職師的なキャリアを構築できていたことに感謝です。

ちなみに、論理的でない強制を排除したくなるのは、私の過去の経験が大きいと思います。
脱脂粉乳をまずいミルクを出され、全部食べないと校庭に遊びに行くことは禁止され、小学校1年の時から、ミルクの日には一人教室でミルクを睨み、こっそり溝に捨てに行く日々。
「もっと自由に、強制などない社会に」と誓ったものでした。
それが今に繋がっている。
懐かしいです。

posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 19:53| Comment(2) | TrackBack(0) | (企業:キャリア施策事例総論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご無沙汰しております。
大変魅力的なご本のご紹介を有難うございます!早速アマゾンで注文しました。
田中先生が帯書いたら良かったのに、と思います。
Posted by うちのりか at 2013年07月30日 00:26
うちのりかさま
投書ありがとうございます。
キャリアカウンセラーは個人サイドだけでなく企業がどう考えているか理解している方がより良い支援ができますので、花田先生の本手がかりになると思います。
投書ありがとうございました。
追伸:春秋ネットで同報したら未着で帰ってきました。もう一度アドレスをメールで連絡ください。
Posted by 田中春秋 at 2013年07月30日 12:35
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