2012年11月19日

キャリアコンサルティング1級技能検定への質問についてA

学科のために何を勉強したらよいのか?

数字データを基本に語ります。
尚、どのくらい出た、や出典か何を勉強すると良いと思うかはあくまで田中春秋個人の考えや推測です。別に裏情報があるわけではなく、問題を読み、根拠を調べる、という作業を地道にやったというだけ。
前回の問題根拠になる書籍は何で何故これが〇なのか×なのか調べてみました。オタクなので、既に絶版の本も候補になるものは(数万しても)購入し、読み、まとめた結果、大体の傾向が分かりました。
まず、一番のベースは「キャリアコンサルティングりろんと実際」(以前に「キャリアカウンセリング理論と実際」と書いていましたが間違いです。木村周先生は以前の「キャリアカウンセリング」の本にキャリア教育や新しい動向入れて本の名前を変えてます。8割ぐらいは同じ内容ですが、キャリアコンサルティングに変えた本の方を推奨してます)これを隅から隅まで覚えていれば大体4割の問題で正答できます(ひっかけも多いので注意)。他にもある程度まとまっている本もあるのですが、この本が一番カバー率が良い。
分からないのが6割という事は、分からない問題も絶対違う選択肢を排除して2択ぐらいまでに絞って選べれば確率的には7割取れることになります。
その他の理論の本は結構分散しているので勉強は大変ですが、カウンセリングに関する本とキャリアに関する本とSVに関する本で約2割出ています。キャリアの関する本は渡辺三枝子先生くらいしか網羅的に書いていないので「新版キャリアの心理学」ぐらいは読んだ方が良いと思います。SVに関しては最近平木典子先生の「心理臨床スーパービジョン」(2012年9月30日発行なので今回の検定には直接反映できてないと思いますが、網羅的に学ぶことができます)あたりを推薦しておきます。
でももう少し正答率を上げたいのならば「政府データ(白書や研究会報告書や厚生労働省のHP)」で約2割追加で分かるので、これは重要。特にキャリアコンサルティングに関する報告書は読んだ方が良いでしょう。
後は労働法が4問出ていたので8%。しかし出題はキャリアカウンセラーとしての判断ではなく純粋に法律学としての問題が混じっていた(最高裁で揉めるような問題を法律の先生は出したがるけれど、キャリアカウンセラーは判断をする人ではないので、裁判になるような争点があるならば問題があると考え専門家にリファーする)ので、どのレベルまで勉強するか結構迷いどころです。
ヒューマンリソースマネジメントは2問出ていて4%。でもこの領域は著書も多く、しかも何が人を動かすのに有効か学者により多様な意見があるので第1回目試験のような出題者が信じる学者だけが正しいような出題をされると勉強すればするほど迷うことになります。だとすると、国もキャリ協も正しいと思っている学者がまとめた本を読むのがよさそう。特例講習で今野浩一郎先生の「人事・人材開発3級」がテキストだったので、その3級とその上の2級ぐらいは読んでおきたい。これ、ビジネスキャリア検定の標準テキストなので、国もお墨付きということです。
最後にメンタル。統計数値の問題は「政府データ」に入れたので、純粋にメンタルの問題は「双極性障害」の1問。キャリアカウンセラーが双極性障害で困ることはまずないのできっとこれも作問は精神科の先生が作ったのではないかと思うのですが(丁度双極性障害の新薬が出たので、MRが勉強会等やって精神科医にとってはホットなテーマだったらしい)、DMS-Wに反映される前の最新データを出題されるのではお手上げです(個人的にはクラシックにはうつ病の見立て、最近トレンドでは発達障害を出すのが現場に必要な知識だと思うのですが、今の出題者はキャリアカウンセラーの現場を意識していないようなのでどこまで勉強すればいいかが分かりません)。1問なのでまあ諦めて、自分が持っているテキストのメンタル部分を読み返すぐらいでいいかと思います。

前回は枝葉末節の問題が多く批判も多かったので、2回目の問題は揺り返しで難度が下がるのではないか、と個人的には推測しています。

どうなる事か分かりませんが、難しい出題も真面目に勉強するいい機会にはなりますね。ただ出題の仕方を変えてもらわないと、勉強するほど迷いが大きくなりそうです。

以下は私の個人的意見でありまあグチです。

これも前回の試験は、根拠をどうとるか(どういう視点で判断するか)で正解が複数ある問題がけっこうあり、個人的には「あてっこゲーム」だった感じがしています。例えば「問27の2 うつ病と違い、双極性障害のなりやすさについて、女性と男性の差はほとんどない 〇」とかは、私が勉強した「図解精神医学入門第4版」では「男女比1:1.5」だし、「DSM-W−TR精神疾患の診断・統計マニュアル 2011年改訂7版」では「米国の最近の研究では。双極性T型生涯は男性と女性でほぼ同じ頻度で見られることが示されている。双極U型は男性よりも女性が多いかもしれない。性別は軽躁病および大うつ病エピソードの数と病型に関係しているようである」と、まだほぼ同じまでは判断していません。
しかし、正解〇の根拠は、技能検定2級の出典で紹介された「標準精神医学」では「双極性障害は大うつ病障害と異なり、頻度の性差はほとんどない」とあり、この本を読むと「性差がない」は根拠があるし、正解になります(多分先端研究でそういう結果が出ているのだろうが、DSMを変えるほど定説にまでなっていない。データが小さいという事)。
私には「DMS-W」よりも「標準精神医学」が根拠として強いとは思えないのですが、出題者が見ている本が正しいのでしょう。根拠がある問題を作る難しさを知っているし、いわんやその根拠が正しいか、それと反する根拠はないかまで調べるのが難しい事は重々分かっているのですが、文句のひとつも言いたくなります。
つまり、今の出題方法では、国家検定なので国や今の権威の人が正しいと言っているモノが正しく、出題者が読んでいる本を読んだ方が良い、ということになります。私はけっこうオタクなので、旧来言われていたけれどエビデンス取ると違うかもしれない等調べたがるのですが、そういうオタクな知識は邪魔だということ。
迷った時は国や今権威の人がどう勉強しただろうか、で選ぶ。迷った時に「本当に正しいのはどっちだ」と考えて「自分が正しいと思うモノ」を選んではダメ。
そうだとするとキャリアコンサルティング2級の学科の解説の出題にある本を選んで読む、国のレポートを意識して読むんで国側の考察をとりあえず同意する、というあたりが大事ということでしょうか?
(例えば面接はシステマチックに進めなければならない。〇か×か?と言う問題。システマチックアプローチだと〇ですが多くの学者は×と言います。これも誰が言っているのかという視座を入れてもらわないと、知識があるほど迷ってしまいます。せめて主張している学者名ぐらい書いてほしい。GCDFの試験では理論については一般論ではなく誰が言っているかを書くようにしています)
これは出題者であるキャリ協への切なるお願いです。
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | よくある質問への回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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