2012年01月31日

ジョブカード

今更ながらジョブカード講習会に行ってきました。
驚いたのが標準レベルキャリコンの資格を持っている参加者は1/4だけ。3/4はカウンセリングまだ勉強していないけれど、会社が職業訓練を受託したので、ジョブカードが条件になっているから資格を取りに来た、という人達でした。
みなさんは知らないと思いますが、今のキャリアコンサルティング技能検定(国家検定の方です)。厚生労働省は技能検定よりもジョブカードの方に関心があり「標準レベルの関係構築しかできないカウンセラーでは人材育成を目的とするジョブカードの活用は難しく、育成ができるカウンセラーにジョブカードをやってもらう為に早く技能検定やれ!」というものでした。
単なるマッチングではなく、そこで自分を変えよう、***分野で成長するために***にチャレンジしようというカウンセリングができる人が必要だという主張は正論であり素晴らしい施策だと思いました(国力向上には国民の成長しかないということ)。ただ、すぐには数が揃わないから、しかたなく当初は「暫定的に1日講習を受けた人でもやっていいことにしよう。人数がそろい次第国家検定合格者に移行する」という繋ぎとしての施策だったはずです。
熟練レベルである2級技能士はまだ少なくても、今や標準レベルキャリアコンサルタントは5万人(最低でも3万人)はいるのですから、せめてジョブカードは標準レベルのキャリアコンサルタントぐらいを条件にすれば良いと思うのですが、どうでしょう?「質を上げる」と言いながら、片方で1日のセミナー参加だけでテストもせずに「認定キャリアコンサルタント」というタイトルを与えるのがいいことだとはあまり思えません。
どうもジョブカード2020年300万件の数値目標のために、本来の成長させるという目的を忘れている感じがします。厚生労働省は手段が目的化しているのではないですか?だいたい、ジョブカード事業というのもおかしくて、国民の成長が目的、ジョブカードは手段、名前から見直した方がいいかと思います。

講師もかわいそうです。ジョブカードの仕組みとルールを教えた後、約半日でキャリアコンサルの知識を教えて、すぐクライアントに実践できるようにしろ、と言われても、できる訳がありません(片方で130時間の訓練しないと標準レベルにさえ認められないと言っている役所が半日で認めるフレームもおかしい)。厚労省も発注内容が無謀です。こんな「研修しました」というアリバイつくりだけの研修やるぐらいなら、ネットのビデオ講座で資料も無料ダウンロード。その代りにやれるかどうかのテストだけ延々やるとかの方がよほど質の向上に繋がります。この研修、受講者が「できる」と思うと失敗で、「まだできないからもう一段勉強しなきゃ」と思わせるのが本質的な成功。でもそれだと受講生の評判も発注元の厚労省の評価もよくないだろうからできてないことを気づかせないで帰すことになる。
もう一度厚生労働省はジョブカードについて、目的と対象を見直した方が良いと感じました。

ちなみにジョブカードの評判はあまりよくありませんが、国民の能力開発のツールとして可能性はすごくあります。しかし細かすぎてあれ普通ではとても運用できない。運用できるように職務経歴書に獲得した内容と入れるとか職務経歴書とかをジョブカードと言っているけど、本来もっとも大切なのは「評価」の部分です。こういう複雑なもののマッチングにはシステムが便利です。ジョブカード―マッチ、みたいな、ジョブカードで見る個別の能力レベルと、業界や職種、今求人している会社が求めている能力レベルをマッチングするシステムを作ると価値が大きくなると思います。人材をフル活用できる。
まとまった時間が出来たら、企画書を書いて厚生労働省に提案しようと思います。
色々アイディアが浮かんだ一日でした。
posted by キャリア研修センター浦安 by田中春秋 at 20:38| Comment(4) | TrackBack(0) | キャリアカウンセラー:セミナー勉強会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おっしゃる通りですね!
一日講習受けただけの人が認定キャリコンというのは、つなぎ施策だったんですか。

私も昨年受講しました。ジョブカード講習がどんなものか知るにはいい機会でしたが、とてもショックを受けました。そのときは資格者が10分の1もいなかったので本当にやりきれない思いで一日椅子に座っていた感じです。
伝わらないでしょうが、厚生省に問題点をメールしてしまいました。

先生が一日も早くアイディアをご提案される日を心から願います。
Posted by 内野 at 2012年02月01日 20:26
平成20年4月実施の第1回目の講習を受講した者です。
受講回数が増すごとに受講テキストが充実しているのを目にし、感銘すら受けておりました。第1回目のテキストにはジョブカードに関わる政策ばかりが羅列しており、カウンセリング技法はおろか、記入例、ケーススタディすらなかっただけに、現在公開されているテキストは業務の中で多いに活用しているところです。

第1回目の受講生のほとんどが資格保有者だったと記憶しております。その後、資格保有者が激減していたという実態は驚きではあります。

その1つの要因として考えられるのは需要と供給という課題があるのではないでしょうか?

当方が知る限り、多くの大学キャリアセンターでもジョブカード制度が、ほとんど認知されておりません。また政府がいうところの中小企業とて、制度をご存じない経営者が多いように思われます。さらに職業安定所にて閲覧できる求人に、応募書類としてジョブカーを指定している企業は、ほぼ皆無であります。唯一、応募に際して提出を求めているのは職業安定所内の業務関連求人がほとんどであること。しかし、それも昨年の春頃までであり、現在は、職業安定所として公開している求人すら、ジョブカードの提出は、ごくまれになりました。

これらを踏まえると現行のジョブカード制度は政府が立案した当時から、その方向性を失い「日本国政府として、せっかく新制度を企画立案したのだから、発行部数/目標値達成目指して、有資格者に限定せず、国民皆様のお力をお借りします」というメッセージが伝わってまいります。
Posted by 山田 at 2012年02月04日 05:57
第1回目研修受講後に「記入例を提出していただけないか」という依頼メールが、繰り返し執拗に飛び込んできた実態を追記いたします。
Posted by 山田 at 2012年02月04日 06:03
ジョブカードの意見、田中先生に賛成です。
1日だけ講習を受けた方が、ある日、認定キャリコンと名乗って、ジョブカードと言う紙にサインをしているのに、何の意味があるのだろうか?と日々、疑問に感じていました。
この疑問と不信感を、どこでどう発言をすれば、改善されるのか分かりませんでしたが、先生が企画書を提出されることに期待をしています。
ちなみに、標準キャリコンどころか、相談経験3年以上という要件さえクリアしていない方が、受けているのが現状です。
Posted by ロコモコ at 2012年02月13日 21:05
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